夜の連続高耶さん
ラチカン飼育調教劇場・第三夜


BY 椎名



「すぐに楽にしてあげる。力を抜いて、少しだけ我慢して……、」
直江は優しい声で囁いて、両脚を開かせ、膝裏を掴んで胸につくほど折り曲げて、取り出した自らの凶器を高耶の秘所に押し当てた。

散々、塗り込められた薬が潤滑剤の役目を果たし、高耶の秘所は初めて男の侵入を許した。限界まで押し開げられたソコへ、男の熱くて硬いモノがズブズブと沈んで行く。

「───ッ!!」
身を裂かれる激痛に、高耶が背を仰け反らせた。
「アアッ……、痛、」
根元まで飲み込ませた上で、男は高耶の上に体を倒した。その動きで新たな激痛が走り、高耶が鋭い悲鳴をあげる。直江はその唇を自らの唇で塞いだ。

「ンンッ……、」
頭の後ろに手をまわし、もう片手で顎を押さえ、逃れられないようにして、口腔内を差し込んだ舌で思いきり貪る。
「ん、うっ……、」
上の口と下の口を、男の舌と凶器で犯されて、苦しさにとめどなく涙が溢れた。

これ以上は息が止まる、と云うほど激しい口づけの末、ようやく解放された高耶は肩で激しく息をしていた。口を開けて息をする度、自分のソコが埋め込まれたモノを締め付け、また高耶は新たな涙を溢れさせた。

しばらく男が動きを止めていたせいで、生まれて初めて体を割られた痛みは、我慢できるまでに収まったが、すると今度はまた、あの凄まじい熱さとかゆみが襲ってきた。

動かれれば痛くて、動いてもらえなければ苦しいだけ。どうしていいかわからず、高耶は啜り泣いた。

「高耶さん……」
直江は高耶の涙を唇で拭い、殊更優しく「すぐに楽になるから」と囁いて、ゆっくりと動きだした。男が動き出した途端、高耶がヒッと身を仰のかせた。

「アーッ、……あ、やっ……、」
熱さとむずがゆさで狂いそうな内壁を、男のモノで擦られる度、気がおかしくなりそうな感覚が襲う。塗り込められた薬が潤滑剤の役目を果たして、男のモノはぬるぬると滑るように高耶のソコを出入りした。

「アアッ、……あっ、……んっ……あ、」
高耶の口をついて出る呻きが、少しづつ、苦痛から甘さを含んだものに変わって行く。
ゆっくりと高耶を犯しながら、男は食い入るように見つめている。

高耶が、変わっていく様を。

実際、高耶はもう痛みは感じなくなっていた。むしろ、ゆっくりとした動きがじれったく、痛くてもいいから激しくしてほしかった。それしかこの灼熱の苦しみから逃れる方法がないと、すでに高耶は悟っていた。同時に、こうして自分は少しづつ壊れて、この狂った男の所有物になっていくのだろうかと云う、自虐的な感情さえ生まれつつあった。

直江の方も、間接的に薬の効果が現れたのか、だんだんと動きが激しくなり、高耶の腰に思うまま自らの凶器を突き立て、攻めはじめた。

「アアッ!……アッ!……ック、……」
望んだ動きを与えられ、声を殺すこともできず、高耶があられもない声をあげる。唾液を飲み込む余裕もなく、高耶は口端から銀の糸を滴らせた。

直江は容赦なく高耶を貪りながら、その体に教え込んでいく。自分の凶器だけが、苦しみを取り除き、狂うほどの快楽をもたらすことができると。

「アアッ、も……駄目ッ、」
激しく体を仰け反らせ、高耶が叫んだ瞬間、散々、自分と直江の腹で擦れ、先端から透明な液体を零し続けていた高耶のモノが弾けた。

「アー……ッ!」
初めて、その瞬間の高耶の顔を見た直江は、感嘆のため息を洩した。紅く尖った突起にまで、しろい液体を飛び散らせ、その胸が激しく上下する様は、狂った男をなおも狂わせるのに充分だった。

ピクピクと痙攣し、激しく収縮を繰り返しながら締め付けてくるソコを、直江は奥深くまで抉るように一際強く穿った。
「アーッ!」
放った直後で、朦朧としていた高耶が、あまりに激しい責めに悲鳴をあげる。
「アアッ!やめっ……!あ!」
容赦なく突き上げられて、これ以上続けられたら死んでしまうと思った瞬間、体のいちばん奥深くに熱いものが注ぎ込まれた。

「あっ……、」
思わず高耶が目を見開いた。薬を塗り込められた熱さとは違う、初めて感じる熱さ。
激しく肩で息をしている高耶の顔を、まだ体を繋げたまま、直江は両手で包み込んで囁いた。

「思った通り……あなたは最高ですよ……、イク時の顔も、ココも、ね」
高耶が赤くなって顔を背けようとするのを、直江は許さない。

「あなたもよかったでしょう?俺のをあんなにきつく締めつけて……可愛いひとだ……これから毎日抱いて、うんとヨクしてあげる。俺のことしか考えられないように……俺がいないと駄目な体にしてあげますよ」

「クッ……、」
残酷な囁きに思わず溢れる涙を、直江は唇で拭ってやり、そのままその唇は首筋を伝って、胸まで降りていった。

「こんなところまで飛ばして……、」
そう囁いて、しろいものに塗れた突起に軽く歯を立ててやった。初めて味わう高耶の蜜は、目も眩むほど甘美だった。

「アッ……、」
「あなたのは……甘いですよ……こんなに尖らせて……此処がそんなに感じるの?」
そこに口を当てられたまま囁かれて、高耶はたまらない感覚に身を捩った。

「やっ……、そこ、やめ……っ、」
直江は容赦なく高耶の胸を唇で愛撫した。片方を吸い上げ、片方を指先でつまみ、揉むように刺激してやる。高耶はよほど胸が弱いらしく、首を振って身悶えた。

最もそれは胸への刺激はもちろん、まだ繋がったままなのと、塗り込められた薬の効果がくすぶり続けていて、新たに高耶を責め出しているせいもあった。

そうしている間に、高耶の中で完全に復活した直江が囁いた。
「今度はあなたのぼうやも一緒に、ね」


男の手で扱かれながら、奥深くまで突き上げられ、あまりの激しさに高耶は失神寸前で喘がされている。その耳元に、男が囁いた。
「高耶さん……俺を呼んで」
「……ッ、あ……、」
「直江、ですよ……直江って、云ってごらんなさい?」

もはやマトモな思考も働かなくなってしまったのか、高耶が途切れ途切れに呟く。
「な・お、え……、」

男の顔に、笑みが浮かぶ。そして、朦朧とした高耶に刷り込むように囁き続ける。
「そうですよ。あなたが自分以外に呼んでいい、唯一の名前です。これから俺以外の名前は、二度と口にしないで。さあ、もう一度呼んで下さい」

「なお……、え……、」
「もっと」
「……な、おえ……、なお…え……」

云われるまま、喘ぎながら壊れた人形のように繰り返し自分の名を呼び続ける高耶を、男は狂おしいほどの思いで抱きつづけた。
「高耶さん……愛しています。死ぬまで……死んでも」

初めての体に、尋常でない量の催淫剤を使い、酷い手段で無理矢理堕として手に入れた。でも、それもみんな、このひとを愛しているから。

高耶を愛している。
狂った男の中で、それだけが真実だった。




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