安直でありがちな前回までのあらすじ(嘘)仰木高耶は松本市の深志中学に通う15歳。家庭が少々複雑な高耶は、学校をサボり、シンナー遊びや喧嘩に明け暮れる日々を送っていた。
ある日、路地裏で高校生数人にボコボコにされていた時、偶然、通りがかった11歳年上の橘義明に助けられる。
義明はお約束通り高耶に一目惚れ。最初は拒絶していた高耶だったが、心優しい義明と接しているうちに、いつしか心の壁は破られ、高耶の心に義明に対する愛が芽生えていった。義明との出会いがきっかけで更正した高耶は、翌年、無事に高校入学を果たす。高耶は高校生活にも慣れ、二人の交際も順調に続いていた。
そんなある日、待ち合わせ場所に現れた義明は、いつもの義明ではなかった。
解離性人格障害──いわゆる多重人格。
義明の中には、本人すら知らないもう一つの人格・キチクでSで絶倫な『直江』がいたのである。『直江』は義明と高耶の行為の一部始終を知っているが、義明は自分の中にいる『直江』の存在を知らない。
義明の優しさの裏で、いつしか『直江』による「調教」と称した手ひどい責めに溺れ、M女(チガウ;)として開花させられていく高耶(爆)。
だが、高耶の高校卒業と二人の結婚を期に、突然『直江』は消え、以後、再び現れることはなかった。義明との、幸せな結婚生活がはじまった。新居は都心の公団南向き3LDK最上階。
真面目で仕事熱心ではあるが、何よりも最愛の高耶を常に気遣い、夫としてこれ以上何を望むのかと云うほど完璧な夫。
高耶が少しでも熱を出せば、仕事を休み、一日中そばにいてくれる優しい夫。
文字通り、高耶は幸せの絶頂にいた。だが、義明のいない独り寝の夜、心の奥底に潜む、かつてあの男に嫌と云うほど教え込まれた、誰よりも高耶自身、認めたくない淫らな願望が、じわじわと頭をもたげる──(爆)
高耶が義明の元に嫁いで、二年の月日が流れた。
この小説は18歳未満の方はお読みになれません(笑)