417リハビリ小説第2弾(笑;
Decadent Eve2周年記念
団地妻アゲイン
作 milky417CAST
夫・直江信綱(攻)
妻・直江高耶(受)
新婚ほやほやの超絶キュートでカッコ可愛い専業主婦・高耶の一日は、自分に貼付いて離れない夫を追い出すことから始まる。
しかし、夫を会社へ送りだす──これが何よりの難題なのだ。
何しろ、高耶の夫・直江は存在そのものが男性器(爆)。例え死んでも生き返り、ヘリコプターが墜落して海に落ちても、泳いで戻ってくるほどのツワモノである。
少しでも隙を見せれば、すぐに行為に雪崩れ込んでしまう為、一筋縄では出勤しない(日本語チガウ?/笑)。
そして、今日も今日とて、直江はあまりに愛しい妻を前に、出勤をぐずっていた。
「いい加減にしろ!遅刻すっぞ!!」
怒鳴られ、渋々玄関に向かった男は、それでも出かけの最後の抵抗とばかり、弁当を手渡そうとした高耶の一瞬の隙を逃さず(笑)愛しい体を抱き込んで玄関のドアに押し付けた。
逃れられないよう覆い被さり、細い手首をドアに縫いとめる。
「ばっ……ほんとに、遅刻す……ンンッ、」
云いかけた唇は、すぐに男の唇で塞がれる。
柔らかな舌と甘い唇を散々貪り、ようやく満足したように顔をあげた男は、激しいくちづけですっかり息のあがってしまった妻の情事の痕だらけの首筋に、新たな紅い痕を散らしながら、
「金曜日ですからね……今夜は寝かせませんよ。覚悟して下さいね」
と囁いた。
寝かせないのは毎晩だろうとツッコミのひとつも入れたいところだが、無論、感じやすい高耶にそんな余裕はない。
高耶の前が勃ちあがりかけるのを感じて、微笑した男は尚もたたみかける(笑)。
シャツの裾から差し入れた指で胸の尖りを弄びながら、己自身を高耶の前にグッと押し付け、更にこれでもかとばかりに、腰に来るラジオヴォイスで囁いた。「高耶さん……俺がいない間、もし誰かが来ても絶対に家に入れてはいけませんよ?淋しいからって浮気したら、この細くて綺麗な首に、頑丈な首輪をつけて、鎖で繋いで閉じ込めてしまいますからね──愛していますよ。俺だけのファントム。すぐに帰って来ますから……いい子で、服を脱いで待っていて下さいね……」
その言葉と同時に、後ろに回された男の指が、細い腰のジーンズの狭間をまさぐった。
……戻ったら、ココに、すぐに俺のを入れてあげられるように。カーッと紅くなった高耶が何か云いかける前に、男は「行ってきます」と微笑み、もう一度、今度は額に軽く口づけて、大切な愛妻弁当を片手にようやく家を出て行った。
散々、煽られ、中途半端な状態で放り出された高耶は、我に帰ると真っ赤な顔でドアに向けて怒鳴った。
「バカヤロー!帰ってくんな!」
その日の午後、家事と昼食を済ませた高耶は、コーヒーを煎れようとして、豆を切らしていたことに気がついた。ついでに、無性に煙草が吸いたくなった。
直江は未成年だから駄目と云って、高耶には喫煙を許さないが(あんなことやこんなことは死ぬほどするくせに)高耶とて、かつては「深志の仰木」と恐れられた元ヤンである。
中学時代から吸っていたものを、そう簡単にやめられるものではない。
財布をジーンズのポケットに突っ込み、高耶は部屋を後にした。ホールでエレベータを待っていると、毎朝、散々聞かされている直江の言葉を思い出して顔が紅くなる。
(できれば一人で外出しないでくれませんか?)
(あなたが心配なんです)
(もし、あなたと誰かがエレベータ内で二人きり、なんてことになったら……)
(あんな狭い密室で、あなたと俺以外の誰かが同じ空気を吸うなんて耐えられない)
(もし相手が襲ってきたら、いったいどうするんです?)高耶は苦笑する。
本当に、馬鹿な奴。男に手を出す男なんて、お前ぐらいだろうが。
だいたい、そんなことを気にしていたら、日常生活なんて送れないではないか。やってきた空のエレベータに乗り込み、1Fを押し、閉まりかけたところへふいに激しい足音がして、再びドアが開いて一人の男が駆け込んできた。
年は高耶よりは少し上ぐらいだろうか?何か武道でもやっているのだろうか、身長は高耶と同じぐらいだが、体格がいい。
男は先に乗っていた高耶に軽く会釈をすると、再び1Fボタンを押す。
音もなく閉まるドア。皮肉にも直江が毎朝、いらぬ心配をして騒いでいる通り、高耶は見知らぬ男と狭い密室で二人きりになってしまった。
エレベータは下降をはじめ、ボタンが12Fを点灯した頃だった。突然、高耶達が乗ったエレベータがガクンと揺れた。
「………ッ!!」
次いで、一瞬、奈落へ堕ちて行く感覚。
高耶は両目を見開いた。
(直江ッ!!)
安全装置が働いたのだろう、衝撃とともにすぐにエレベータは止まったが、そのショックで高耶は結果的に見知らぬ男の胸に飛び込む形になってしまった。
同時に内部の電気が消え、真っ暗になった。
一日が過ぎ(早っ/笑)、この日も直江は5時半の退社時間とともに会社を飛び出し、家路へと向かっていた。
愛する妻の為なら真夏の満員の地下鉄もなんのその(笑)、駅のエスカレーターも三段飛ばしで駆け昇り、自宅へと急ぐ。とはいえ、一分一秒を急いではいても、駅前の花屋に寄って、さりげなく花束をゲットする心配りは忘れない。あのひとには、薔薇が似合う。
それも、深紅の薔薇が。
直江は思う。
薔薇という花は、あのひとの為に生まれた花に違いない。
今夜は全裸のあのひとをベッドに横たえ、あのしろい肌に深紅の花びらを散らそう。直江の頭の中に、高耶のめくるめくあんな姿やこんな姿が浮かんでは消える。
深紅の花びらの海に横たわる、あのひとの白く眩しい肢体。
絡み付く長い手脚。
ぷつん、と勃ちあがった二つの胸の紅い尖り。
発動するひらがなモード(笑)。
欲望のまま組み強いて、己の楔で奥まで貫けば、甘い悲鳴をあげて仰け反る首筋。
苦痛と快楽がないまぜになり、寄せられた眉、半開きの唇から覗く紅い舌。
屹立する彼自身から、とめどなく溢れる透明な蜜。
この世で自分だけに許された甘美な毒。
己を奥まで包み込み、きつく締めつける熱いピンクの柔襞、飛び散る聖液。妄想、ここに極まれり(笑)。
男のこめかみを、一筋の汗が伝いおちた。
(高耶さん!今帰りますからね!!)
直江は滾るリビドーを内に秘め、家路を急いだ(アホι)
だが、この日、自宅の公団に近づくに連れて、直江は何やらいつもと空気が違っているのに気がついた。
嫌な予感がして、つい駆け足になる。
すると自宅のあるA棟のまわりがざわついていた。
救急車が止まっている。
尚も悪い予感がして、人垣に飛び込んだ直江の目に飛び込んできたのは、エントランスから出てきた見知らぬ男に抱き抱えられて、ぐったりしている高耶の姿だった。
「高耶さ……ッ」
高耶の顔色はまるで死人のように青白い。
「高ッ──高耶さん!」
抱えていた深紅の薔薇の花束を放り出し、直江は高耶の名を叫んで駆け寄った。
男の腕から、もの凄い勢いで愛しい体を奪い取る。高耶は意識を無くしていたが、その唇が微かに動いている。唇の動きで、何を云っているのかはすぐにわかった。なおえ。
「高耶さん──しっかりして下さい!何があったんです──高耶さん!」
直江は必死に頬を叩き、激しく体を揺すって名前を呼び掛ける。
驚いた救急隊員が制止するが、動転しきった直江はそれどころではない。
「高耶さん──高耶さん!」
高耶は反応しない。救急隊員の指示で、高耶はすぐに担架に乗せられ、救急車に運び込まれた。自らも乗り込む直江の背中に、一人の男が「あなたが直江さん?」と話しかけた。
見れば、高耶を抱いていた男だ。どんな理由があったとしても、高耶を抱いていたと云う事実に、直江の瞳が嫉妬と理不尽な怒りに燃える(怖;)
だが、その視線を気にした様子もなく、男は微笑んだ。
「……奥さん、うわ言でずっとあなたの名前呼んでましたよ」エレベータの故障で数時間もの間、閉じ込められた高耶は、空調が切れ、内部の温度が急激に上がったことで軽い脱水症状を起こしてしまったのだった。
幸い大したことはなく、担ぎ込まれた病院で点滴を1本打たれただけで、すぐに回復した。治療室のベッドで目覚めた高耶の視界に真っ先に飛び込んできたのは、青ざめ、憔悴しきった直江の顔だった。
「高耶さん!高耶さん、よかった──」
そう云ったきり、直江は言葉もない。自分の手を握りしめて俯く男の肩が、微かに震えているのを見て、高耶は愛しい男の名を呼んだ。
「直江……」
そこへ、年輩の看護婦が通り掛かった。
高耶が目を覚しているのに気づき、
「まあ奥さん、気がついたんですね。気分はどうですか?」
新婚で、まだ奥さんと呼ばれることに慣れていない高耶は赤くなったが、「もう大丈夫です」と微笑んだ。
看護婦は力づけるように二人に向かい、暖かな声で、
「旦那さんもよかったですねえ。さっきまで旦那さん、奥さんより青い顔をしていらっしゃいましたからね」
直江は微笑み、高耶はひどく照れくさかったが、それでも、己の愛した男に心配をかけてしまったことを小声で詫びた。
「……ごめんな」
「高耶さん……」
病院でしばらく休んだ後、医師から帰宅を許されて、二人がタクシーで家に戻ったのはすでに深夜だった。
事故を起こしたエレベータはまだ復旧しておらず、使用禁止の札がかかっていた。
直江に肩を抱かれるようにして、もう一基のエレベータに乗り込ろうとした途端、高耶の顔が一瞬、強張ったのを直江は見逃さなかった。
堕ちていく瞬間の恐怖を、思い出してしまったのだろう。
「大丈夫ですよ……」
安心させるように細い体を抱きよせ、そっと口づける。
「ん……、」そうだ、と高耶は思った。
今は直江の腕の中にいる……何も怖いことなどない。
高耶が生涯、そこにいると誓った場所。
何よりも安心できる場所。
あの時も、直江が一緒なら、きっと怖くなかったのに。強い腕に抱かれ、羽のような口づけは、少しづつ深いものに変わっていく。
舌と舌を絡めあい、互いを抱きしめ、生きている存在を確かめあう。
最上階に着き、ドアを開けるのももどかしく、二人はもつれるように寝室に雪崩れ込んだ。
「高耶さん……高耶さん……!」
「なおっ……」その夜の行為が、いつにも増して熱く濃厚なものだったのは、云うまでもない。
(各自ご自由にご想像下さいましv)
この一件が元で、直江の心配症は更に悪化した。
何しろ、エレベータに閉じ込められた美人妻として、高耶は公団中の有名人になってしまったのだ。ただでさえ、世界中の男が高耶を狙っていると云うのに、これでは、ますます心配で会社へ行けない(笑)。
ずっと自分の名前をうわ言で呼んでいたあの時の高耶を思うと愛おしくて死にそうだが、うわ言を呼ぶような状態の高耶が、見知らぬ男と狭い密室で何時間もの間、二人きりだったと云う事実。それを思うと、たまらなくなる。
たまたま、一緒に乗り合わせた男は高耶よりも体力があり、ぐったりしてしまった高耶を助けて出てきただけのことで、当然だが、直江が毎朝毎晩、いらぬ心配をしているような、見知らぬ男と高耶がエレベータと云う密室であんなことやこんなことは何もなかったのだが(うちのサイト内であってたまるか)、そこは直江のこと。「高耶さん……あの時、エレベータの中で、あの男に何かされなかったでしょうね?」
そう聞いてくる瞳はあくまでもマジだ。だから始末が悪いのだが。
高耶はカッと紅くなって、
「ばかっ、当たり前だろ!だいたい、あの人結婚してるって云ってたぜ」
直江は、更に詰め寄る。
「どんなことを話したんです?」
「なんでもねーよ、普通の話だよ。高校どこだったとか、阪神勝ってるとか、そういう普通の話……」
何を云っても、直江が納得しないのはわかっている。
高耶は、ふいに直江の胸元に指先を突き付け、強い瞳で覗き込んだ。
「此処だけだ。だから、くだらない心配すんな」
「え……?」
高耶はまっすぐに直江を見つめて云った。
「俺のいる場所。──そうだろ?」
ふいを打たれて、直江は一瞬息を止めたが、すぐに「高耶さんっ!!」と叫んで、愛しい体を折れるほど抱きしめた。
「ばかっ、苦し……っ!」
「あなたには……かないませんよ」
「たりめーだ……あっ、バカ、どこ触っ……、」
「誘ったのはあなただ……」
おしまい(^-^)/~高耶さん、お誕生日おめでとう。
生まれてきてくれてありがとう。
直江とずっと、仲良くねv2002.7.23. SHIINA
いつも読んで下さっている皆様へv
2002.7.23. 当サイトは2周年を迎えることができました。
ありがとうございますm(_ _)mえーと;今回もお誕生日ネタが書けませんでした;
いやー、高耶さんのお誕生日!(><)私なんかの文章力では;恐れ多くてとてもネタにできません;;何ものにも変えがたい特別な日ですから……。いつかもう少し、マトモな文章が書けるようになったら、その時はぜひ書いてみたいです(^^;そんなわけで、リハビリ第1弾があまりにキチクだったんで(笑;第2弾は苦手な甘甘に挑戦してみましたが、ギャグなんだかシリアスなんだか、わからない変な話になっちゃいました;いや、変な話なのはいつもなんですけど…(笑;
どうして普通の甘甘ってか普通の話が書けないんだかなー、自分(笑;
しかもかんじんのHシーンがないし(笑;;すいません;;;椎名のくせにHがないのは詐欺だ、と云う方はおまけをご覧下さいませ(^^;
この夫婦の日常です(笑)それでは、読んで下さってありがとうございました。