yorurati 2004
第八夜


presented by
黒417



この日も、嫌というほど体の奥に白濁を飲み込まされ、しろいものを吐き出させられ、ぐったりとなった体が、男の腕で軽々と抱き上げられた。
「やっ……」
あの内診台へ運ばれると悟った途端、高耶の顔が見る間に青ざめる。
「なお…ッ、」
「いい子だからじっとして」
抵抗も空しく、シートに下ろされるや否や、手錠を嵌められたままの両腕が、シート上部のフックに固定され、いやがる両脚を左右に割られてベルトで戒められ、もはや逃れることはできない。
許されることはない……わかっていても、高耶は必死で男の名を呼ぶ。

プライドも何もない。男に囚われて数日、この異常な状況の中、欲望のまま体を貪られる屈辱よりも、高耶がいまだに耐えられないのが、男の手で容赦なく行われる『洗浄』と称した強制的な排泄だった。
恥かしいことなんてないのだと、男がどれほど云い聞かせても、これだけは嫌だと、高耶は必死で許しを乞う。
「直江……、頼むから……ッ、」
なんでもするから……せめて、トイレと入浴ぐらいは、自分でさせてくれ。
かわいそうなほど青ざめ、そう繰り返す愛しいひとに、男は、わざとらしくため息とつくと、駄々をこねる子供を諭す親のような口調で云った。

「困ったひとですねえ。何も恥かしいことなんてないと云ってるのに。あなたのことは、全部俺がしてあげるって、何度云ったらわかるんですか?」
男は更に、揶揄るように付け加えた。
「中、綺麗にしないと、あなただって気持ち悪いでしょう?今だって、俺ので、こんなにぐしょぐしょにしているくせに」
そう云って、男は己の残滓に濡れる、ピンク色の蕾を指で辿った。
「ヒッ……!」
敏感な其処に触れられ、たちまち声をあげてビクンと身を震わせる高耶に、男はいとおしげに目を細めた。

「高耶さんは、本当にココを弄られるのが大好きなんですねえ」
うっとりと囁きながら、いちばん長い指先を沈めて、あやすように蠢かす。
「や……抜けっ……よ、」
先ほどまでの激しい行為ですっかり綻んだ蕾は、高耶の意志とは関係なく、貪欲に男の指を飲み込み、きゅうきゅうと締め付けてくる。

「クッ……ン、あ……」
出したくはないのに、どうしても噛み締めた唇から堪え切れない喘ぎが零れてしまう。
(本当に……可愛いひとだ)
高耶の蕾の感触を、散々、味わって、男は徐に指を引き抜くと、
「今日は……そうですね。あなたのココ、今は充分、解れているから……これを使ってみましょうか」
淫具を積んだワゴンから、見るからに禍禍しいガラス製の巨大なシリンジを取り上げて、高耶の前にこれみよがしに翳してみせた。
そのあまりの大きさに、怯えたように高耶が目を見開く。
「本来は家畜用だそうですよ」
そう云って、男は楽しげにクスクスと笑った。
「そんな……ッ」
きつい目元に涙すら浮かべて、必死に哀願する高耶を「大丈夫、怖くない」とあやしながら、男は着々と準備を進める。


なみなみと、ぬるま湯の注がれたステンレスのボウル。
ふと、思い立って、男は湯に、媚薬の錠剤をいくつか取り出して放り込んだ。
今日は、これから仕事があり、一晩、家を空けなければならないことを思い出したからだ。
長時間、留守番をさせるのは、高耶を攫ってから、これがはじめてである。かわいそうだが、薬とオモチャを与えておけば、きっと一人でも淋しくはないだろう。

すっかり媚薬が溶け込んで、白く濁ったボウルの湯を、男は手にしたガラスシリンジで慎重に吸い上げていく。どうしても許されないことを悟ったのか、高耶は唇を切れるほど噛み締め、いまわしいソレを見まいと、青ざめた顔を背けた。
やがて、シリンジが湯でいっぱいになると、男は軽くポンプを押して、水圧を確かめながら、
「高耶さん。わかっているとは思いますが、これはガラス製なんですから、俺がいいと云うまでは、絶対に暴れたり、途中で動いては駄目ですよ。もし、中で割れてしまったら、大変ですからね。それに……」
男は尚も揶揄るように告げた。
「あなたのココは貪欲で、何かを入れられると嬉しくて、すぐにきゅうきゅうと締め付けてしまうから、あまり締めすぎないように気をつけて下さいね?」

羞恥をより煽るような言葉に、高耶は真赤になった顔を背けて、こちらを見ようともしない。
実際は、大切な高耶の体に、万一にも傷がつくかもしれないような危険なモノを、男が用いるはずがなく、シリンジは強化ガラスででており、動いたり締めつける程度では、割れることはないのだが、男は、ここは躾とばかりに、諭すように云った。
「………ッ、」
顔を背けたまま、高耶が何も答えずにいると、男は前触れなく、萎えたままのペニスをきつく握り込んだ。
不意打ちのように急所を掴まれ、ヒッと息を止める高耶に、
「ちゃんと聞いていましたか?お返事もできない悪い子は、こうですよ?」
決して言葉を荒げたりすることはないが、こういう時、男は恐ろしいほど容赦がない。それが高耶の体に関わることなら、尚更である。

わかったから……おまえの……云うとおりにするから。
息も絶え絶えに告げ、ようやく許されて、観念したように目を閉じた高耶の蕾に、シリンジの先端が押し当てられた。
そのあまりの冷たさに、高耶は身を竦ませる。
「じっとして」
男はもう一度、諭すように云って、自らの白濁で濡れた愛しい蕾に、慎重に嘴管を沈めていく。さすがに家畜用というだけあって、嘴管部分は、それだけでも大人の人差し指ほどの太さがあった。

冷たいガラスの管が体を割って侵入する、異様な感触に堪え切れない悲鳴があがる。
「やっ……抜い……」
「我慢して。動いては駄目ですよ」
高耶とて、ガラス製のそれが、もし、体内で割れてしまったらと思うと恐ろしい。
どれほど許しを乞うても許されることはない。高耶はただ、息を詰めて、ただひたすら、一刻も早くこの時が終わるのを待つしかなかった。
無論、すべてを注ぎ込まれた後は、更に恐ろしいあの一瞬が待っているのだけれど。


水圧で直腸を傷つけないよう、殊更、慎重に時間をかけて、男は高耶の体内に媚薬入りの湯をゆっくりと注ぎ込んでいく。
下の口から大量の湯を飲み込まされ、微かに膨れていく下腹部が、たまらなくいとおしいと男は思う。
湯に犯されて、激しく上下する薄い胸の尖りが、勃ちあがっていることを、このひとは気付いているのだろうか?
苦しげに眉をしかめ、きつく歯を食いしばり、必死に堪える高耶に、男は目を細め、
「もう少しですよ……」
と力づけるように囁いたが、もし、動けば今にも(ガラスが)割れてしまうかもしれない恐怖と、次第に高まる排泄への欲求を同時に耐えなければならない高耶には、もはや答える余裕などなかった。

ようやく、シリンジ内の500ccが空になった。
男は内壁を傷つけないよう、そっと敏感な襞から嘴管を引き抜く。その途端、細い体がビクンと震え、形のいい唇から声にならない声が零れた。
「よく我慢しましたね……全部、入りましたよ。いい子ですね」
甘い囁きに、おずおずと見開かれた瞳から、涙が零れる。
いつもより、飲み込まされた湯の量は半分と少ないが、極度の緊張の中で施された行為に、高耶は身も心も限界だった。

「なお……ッ、」
必死に自分の名を呼ぶ高耶が、いとおしくてたまらない。汗でべっとりと額に張りついた前髪をかきあげてやりながら、男はにっこりと微笑んだ。
「どうしたの?」
「も……苦し……頼むから……」
羞恥からか、その後は言葉にならない。
まだそんなことを云っているんですか、と男は半ば呆れたように苦笑して、
「あなたというひとは……恥かしいことなんてないと、云っているのに。ほら……苦しいでしょう?出してしまって構わないから」
そう云って、膨れた下腹部を排泄を促すように擦ってやった。
「や……ッ」
出したいと云う、本能的な欲求を、高耶は必死に堪える。
そうして、耐える時間が長ければ長いほど、敏感な襞に媚薬が浸透していくことも知らずに。
この日、高耶が堕ちたのは、それから、更に数分が経ってからのことだった。





家畜用のシリンジを使われ、見られながらの排泄を強要されて、極度の羞恥からか放心してしまった高耶の身を甲斐甲斐しく清めてやりながら、男は微笑む。
虚ろな目元から、涙が伝うのを唇で吸い上げてやりながら、男は甘く囁いた。

「泣かないで……高耶さんは本当に恥かしがりやさんなんですね。大丈夫だから……ね?」
「……ヒッ……ク……、」
しゃくりあげる瞳が、体内から吸収させられた媚薬のせいか、いつしか、しっとりと濡れはじめていることに、このひとは気づいていない。
このまま、このひとを見ていたいが、残念ながらそろそろ外出の仕度をしなければならないようだ。

男は、すっかり乱れてしまっている前髪を優しく撫でてやりながら、
「高耶さん。実は、申し訳ないのですが、今日はこれから仕事で外出しないといけないんです。明日の朝には戻ってきます。一人でお留守番できますね?」
これから、どうせ、また、散々に貪られるのだろうと、半ば諦めかけていた高耶は、思いがけないその言葉に、目を見開いた。

この部屋に閉じ込められた日から、高耶が一人きりになれたことは殆どなかった。
例え一晩でも、この男の呪縛から解放される……そう思ったのも束の間、男は笑顔で恐ろしい言葉を告げた。
「もちろん、淫乱なあなたが一人でも淋しくないように、ちゃんと準備していってあげますからね」


どれにしましょうか?はじめてのお留守番ですからね。
楽しげな言葉とともに、淫具を積んだワゴンから、男は何かを物色にかかった。
「な、に……ッ、」
嫌な予感に、再び怯えはじめた高耶の目の前で、男は徐にピンク色をした卵型の玩具を取り上げる。
「これにしましょうか。小さいけれど、タイマー式で性能もいいようですから、俺がいなくても、朝まできっと楽しめますよ」
「やだ……直江……ッ、」
嫌々と首を振って、男の名を呼ぶ高耶に、
「そんな声を出して……可愛いひとだ。急かさなくたって、今すぐ、入れてあげますよ」
男は揶揄るように微笑んで、先ほど洗浄を終えたばかりの蕾に、男は容赦なく、玩具を押し当てる。

「やっ……アアッ……!」
いつも自分を受け入れる襞が玩具の侵入ととも開いて、それを淫らに飲み込み、再び閉じていく様を、男はうっとりと見つめた。
「やっ……やだっ……」
小振りとはいえ、実際に体内に押し込まれると、相当な圧迫感がある。
嫌がって半泣き状態の高耶が、肩で息をする度、きつい襞から今にも押し出されそうになる玩具を再び指で押し込みながら、男は苦笑した。

「駄目ですよ……せっかく入れてあげたのに……しょうがないひとですね」
男は更に、ワインのコルクほどの、小さなプラグのついたハーネスを取り出して、すでに玩具を飲み込んでいる箇所に容赦なく差し込み、抜けないようにベルトで固定した。
プラグによって、更に奥まで玩具が押し込まれて、高耶がひいっと悲鳴をあげたが、これで、例えどれだけもがいたとしても、決して玩具が抜けることはない。

「やだ……や……っ、」
異様な感触に啜りなく高耶を宥めながら、男は諭すように云った。
「泣かないで。これもみんな、あなたが一人で淋しくないように、してあげていることなんですから……」
「クッ……あ……」

あなたの為なんですよ?
甘く残酷な囁きとともに、優しく髪を撫でられているうちに、明らかに高耶の呼吸がおかしくなってきた。まだ、玩具のスイッチは入れられてはいないのに、胸の突起が誘うように勃ちあがり、腰が、もじもじと動きはじめている。
先ほど、体内から吸収させられた媚薬が効果を発揮しはじめたようだった。

「どうしたの、高耶さん……急に、そんな風に腰を振って……誘っているんですか?」
男はすかさず、揶揄るように云った。
無論、高耶は先ほど使われた湯が媚薬入りだったことなど知る由もなく、意志に反して淫らな反応をはじめた己の体に、ぼろぼろと涙を零す。
やがて、若い楔が媚薬の効果で少しづつ形を変え始めたのを見て取ると、男は徐に医療用の薄いゴムの手袋を取り出して両手に嵌め込んだ。

再び、不穏な行動をはじめた男に、高耶は怯えたように男の名を呼ぶ。
「なお……な、に……」
更に、何かされるのではと怯える体を尻目に、男は細いカテーテルの入った包みを取り上げ、唇で破って取り出すと、その先端の片方をビニールバッグに差し込み、もう片方を徐に高耶の目の前に翳して微笑んだ。

「俺のいない間に、トイレに行きたくなったらつらいでしょう?だから、ぼうやにコレを入れておいてあげる」
「やっ……」
見る間に高耶の顔が青ざめた。
「心配しないで。はじめてだから、ちょっと痛いかもしれないけど、すぐに済みますから」
「やっ……やだっ、やめ……」
嫌がる高耶に、男は、
「これから一人でお留守番をする時は、いつもこうするんですから、馴れないとね」
と諭すように云って、片手で勃ちあがりかけたペニスを支えると、手袋を嵌めた指で細いカテーテルの先端を摘み、傷つけないようにそっと差し入れた。

異物がペニスの中に侵入する、異様な感触に、細い体がビクンと撓る。
「アアッ……!……痛い……なおっ、抜いっ……」
「我慢して」
男は、管の先端を沈めると、ピンセットを使って、少しづつ慎重に奥まで沈めていく。
苦痛を訴えるいとしいひとを子供をあやす親のように宥めつつ、20cmほど管を沈めたところで、膀胱に達したらしく、強い抵抗を感じる。
万が一にも傷つけないよう、慎重に力を入れて男が更に管を沈めると、切ない悲鳴とともに、カテーテルの中を薄いレモン色の液体が伝って、ビニールバッグへと落ちていった。
どうやら、うまくいったようだ。
男は微笑んで、せっかく差し込んだ管が抜けてしまわないように、サージカルテープで止めると、スツールから立ちあがって、もう一度愛しいひとを改めて見下ろした。

「高耶さん……」
「ヒッ……く……あ……」
ぼろぼろと涙を零す高耶がいとおしくてたまらない。
唇で何度吸い取っても、止めどなく零れる涙。
「そんなに泣かないで……出かけるのが、つらくなる。大丈夫……ココにあげたオモチャで遊んでいれば、すぐに朝になりますよ。明日、戻ってきたら、またたくさん、愛してあげるから」
そうして、最後に、高耶の唇には、口枷が嵌められた。精神状態が不安定な高耶が、自分のいない間、万一にも発作的に舌を噛んだりしないようにとの配慮からだった。

「ンン……ン……ッ」
玩具を飲み込まされ、ペニスに管を施され。言葉すら封じられて、はらはらと涙を零す高耶の額に、男はうやうやしく口づける。


もう少し、時が経てば、こんなことをしなくても、このひとは一人で待っていられるようになるだろう。
いまはつらいかもしれないけれど、それまでの辛抱ですよ。



シャワーを浴び、きつくスーツを着込み、すっかり男が身支度を終えた頃には、高耶は内診台の上で、媚薬に狂う体を切なく喘がせていた。
男は涙に濡れる端正な顔を覗き込むと、「行ってきます」と囁いた。
そして、まだスイッチの入れられていなかった玩具のスイッチを入れると、たちまち声にならない悲鳴をあげて啜り泣くいとしい顔を、その眼に焼き付け、
「お土産を買ってきますよ。いい子で待っていて下さいね」
と微笑んで、部屋を出ていった。



To Be Continued.



お久し振りです。黒417、彼岸から帰ってまいりました(爆)
夜ラチ2003だったのが、2004に…(笑;それに、いつのまにかmilkyが勝手に2年後書いてるし(笑;

そんなわけで、やっと!本格的な調教がはじまりました。はじめての御留守番…時期的には、ラチ五日か六日目ぐらいだと思って下さい(^-^;) 高耶さんの記憶が曖昧になってきて、正確な日付はわからないんですの(笑;

とりあえず、御留守番中の詳細は第九夜で…多分(笑;続きはすみませんが気長にお待ち下さいです(^-^;)
読んで下さってありがとうございました。