夜ラチ2003
第七夜


presented by
黒417



バスタブの中で、巧みな指で弄ばれて、逃れることもできずに高められる体。
熱い囁きが耳元に呪縛のように響く。
囚われの高耶には、拒絶できるはずもないのに。

病み上がりのあなたに、酷いことなんてしないから。
優しくするから……あなたを愛してあげる。
俺に、愛させて。

バスタブから抱き上げられ、ローブにくるまれたまま、細い体が再びベッドに運ばれて横たえられた。
水滴が拭われ、ローブの前が開かれる。
「高耶さん……」
「……ッ、」
見られまいと、羞恥から本能的に身を隠そうとするのを、男はやんわりと抑えた。
「駄目ですよ……恥かしがらないで……」
前手錠のかけられた両腕が上へと持っていかれ、ベッドヘッドに鎖で固定され、長い両脚が大きく割られて、一糸纏わぬ高耶のすべてがあらわになる。

「見……るなっ……、」
熱い視線に耐えきれずに、高耶は顔を背けてきつく唇を噛み締めた。
鬱血しやすい体質なのだろう。二度の陵辱でつけられた所有の証は、全身に花びらを散らしたような痣となって、くっきりと残っている。
男は所有の証のその痕を一つ一つ確かめるように、首筋から胸へと指で辿った。
「高耶さん……」
激しく上下している胸の二つの突起が、愛してほしいと、誘うように固く尖っている。
誘われるまま、男はそれの片方に唇を寄せ、思いきりむしゃぶりついた。
「やっ…!」
片方を指で摘んで揉み込み、もう片方を唇に含んで軽く歯を立てては吸い上げると、細い体がビクビクと撓る。
このひとは胸がひどく感じるようだから、いつかココにピアスをプレゼントしてあげよう。胸だけでなく、可愛らしいぼうやの先っぽにも……あなたが、いつも感じていられるように。
このひとを飾る宝石は、何にしようか?
男はうっとりとそんなことを考えながら、薄い下腹部へと唇をずらしていった。


子供のようなすべすべの下肢の、撓る幹に徐に舌を這わせると、高耶はヒッと声を上げて身を固くする。
「やっ……クッ……、」
弱々しくもがく脚を抑え、根元の袋から裏筋にかけて下から上へと何度も舐めあげ、先端を口に含んで数回上下してやると、ひどく感じるのだろう、若いペニスの鈴口に、たちまち透明な蜜が滲んだ。
「こんなに零して……」
男は尖らせた舌先で、鈴口を抉るように甘美な蜜を舐めとった。
「ひいっ」
たちまち上がる甘い悲鳴。男が淫らな割れ目を何度、舌先で拭っても、甘い蜜はそこからとめどなく零れてきて、撓る幹をトロトロと伝う。


ふと、思いたって、男はベッドサイドのテーブルに置き放しになっていた、先ほど高耶が食事をしたトレイから、ステンレスのスプーンを取り上げた。
熱く脈打つソレに冷たいスプーンを押し当てられて、細い体がビクンと震えるのも構わず、幹を伝う透明な液体を男は徐に掬って、彼自身の口元に持っていく。
「あなたの蜜は甘いから、あなたにも味わわせてあげる……」
「……ンンッ、」
しろい方の蜜は、後であなたが出してしまった時に、口うつしであげますからね、と微笑みながら。
「あーんして……」
嫌がる唇に優しく、だが、容赦なく押し込まれるスプーン。有無をいわせず、自分の先走りの蜜を味わわされて、高耶は屈辱の涙を零した。
「高耶さん……うんと気持ちよくしてあげるから……出したくなったら、出していいですよ……」
トレイにスプーンを戻すと、男は優しく囁いて、再び高耶の股間に深々と顔を埋めた。
「クッ……ンン……」
片手で根元の袋を揉みしだき、片手で撓る幹を扱きながら、窄めた唇で強弱をつけて上下する。同性ゆえに、男の攻めは的確で、容赦がない。
巧みな指と舌で、為す術なく高められて、高耶は悲鳴を上げて背を仰け反らせる。


とめどなく零れる透明な蜜は、幹を伝い、根元の袋を伝い、蟻の門渡りを伝って、今や蕾にまで達していた。
ふと、袋を弄んでいた指先が、先走りの液体に濡れた蕾に触れた。
「やっ……!」
高耶が激しく身を捩るのも構わず、男の指先はヒクつく入り口で数回、円を描いたかと思うと、つぷっと蕾を割って侵入する。
「やああっ……!」
高耶自身の先走りの滑りを借りて、狭い秘所にズブズブと沈む長い指先。体内で少し曲げられた指先に前立腺を刺激されながら、撓るペニスを扱かれ、吸い上げられて。


「……駄目、だッ……なおっ……放し……も、でる……、」
感じすぎて引ける腰を容赦なく自分へと引き寄せて、男は深々と顔を埋め、尚もきつく吸い上げた。
「アーッ…!」
掠れた悲鳴とともに、ついに楔が弾けて、喉奥に吐き出される自分だけに許された甘い聖液を、男は躊躇うことなく呷った。
根元まで沈んだ指をきゅうきゅうと締めつけながら、高耶は断続的に甘い白濁を吐き出す。
「アアッ……ひ……」
放出が終わった途端、一気に指が引き抜かれた。
思わず声にならない声をあげた顎が抑えられ、開いたままの唇に容赦なく口うつしで、自分がたった今放ったばかりの白濁を注ぎ込まれて、高耶は目を見開いた。
「………ッ!」
嫌悪から、吐き出しそうになるのを許されずに、強引に男の舌が絡められる。
「ンンッ……!」
男の唾液とともに、自分の白濁を飲まされて、目に涙を浮かべて茫然としている高耶の前髪に、男はいとおしげに口づけた。
「どうですか?あなたの蜜は……甘いでしょう」
男は、いとしい唇を指で辿りながら、うっとりと囁いた。


今度は、あなたの可愛い下のお口で、俺のを飲んで下さいね。
心配しないで。
病み上がりのあなたに酷いことなんてしないから。
あなたはただ、横になっていればいい。
うんと、優しくするから。
そう囁くと、男は細い体にうつ伏せになるよう、促した。




また、女のように組み敷かれて、犯されるのだと思うと新たな屈辱の涙が頬を伝ったが、抵抗は無駄とその体に嫌と云うほど思い知らされている高耶は、手錠のかけられた両腕を上に投げ出して、のろのろとうつ伏せになった。
「高耶さん……」
男の手で、細い腰の下に二つ重ねたクッションがあてがわれて、高耶はただ腰だけを高々と掲げる姿勢を取らされる。
「……ッ、」
「じっとしていて下さいね……」
そう囁いて、男は形のいい双丘を割り開き、あらわになったピンク色の蕾に、徐に顔を寄せていく。上の唇にされる時と同じように、其処に深く口づけられて、たちまち、細い背がビクンと撓った。

「やっ!そんなとこ……ッ、アッ……、」
自分の体のあんなところに口づけられている。逃れようとも、膝も立てずにクッションで腰を掲げられたこの態勢では、高耶には逃れる術はない。
そうしている間にも、尖った舌先が、入り口をこじ開けて侵入してきて、高耶は泣き声を上げて身を捩った。
「やあっ……クッ……あ……」
嫌と云うほど、其処を唇で愛された後、ようやく許されてホッとしたのも束の間、男が例の淫具を積んだカートを引き寄せるのを感じて、細い体が途端に強張った。
「なおっ……」

また、あの薬を使われるのではと怯え、縋るように名前を呼ぶ高耶に、男は「心配しないで」と微笑んで、取り上げた潤滑ローションのボトルにディスポーザブルシリンジの先端を沈めて20mlのメモリまで吸い上げた。
「何……、」
「大丈夫、ただのローションですよ。まだまだ、あなたの体は処女同然で、俺を受け入れるには助けが必要ですからね……あなたが楽なように、してあげることなんですから……怖がらないで」
諭すように囁いて、男はシリンジの先端を蕾に差し入れ、ゆっくりとポンプを押した。
「ッ……!」
少量だが、生暖かい液体が注ぎ込まれるその異様な感触に、高耶は歯を食いしばった。
そうして、シリンジが引き抜かれるや否や、すぐに男の指がぬるりと侵入してくる。


「ああっ……」
根元まで沈んだ指でローションを含んだ襞を掻き回され、ゆるゆると出し入れされて、高耶は激しく喘ぐ。
男は一度、指を引き抜くと、すぐに二本の指を揃えて潜り込ませようとした。
狭い箇所をこじ開けられる痛みに、たちまち悲鳴があがる。
「やっ……痛いっ……抜い……ッ、」
一本なら、なんとか耐えられても、二本目はさすがにきつい。
泣き声を上げる背に口づけ、「我慢して…」と宥めるように囁いて、男は慎重に二本の指を沈めていった。
「アアッ……」
男は埋め込んだ指をバラバラに蠢かせ、敏感な襞を刺激する。
何度も出し入れを繰り返し、第二関節まで引き抜いたところで徐にV字に開くと、甘い悲鳴とともに押し広げられた入り口から、ローションがとろとろと溢れて内腿を伝った。



「高耶さん……そのまま、力を抜いていて下さいね……」
「……ック、」
背後から耳朶に囁かれて、ようやく引き抜かれた指の変わりに、ローションに濡れそぼる入り口に熱い凶器の先端がぴたりと押し当てられる。
「なおっ……無理……ッ、」
許されることはないとわかっていても、口をついて出る哀願に、男は宥めるように囁く。
「大丈夫、怖くない。痛いのは最初だけだから……」
すぐに楽になる……囁きとともに、男がグッと腰に力を入れると、ソレはローションの滑りを借りて、今にも狭い秘所を割って侵入しようとする。
「痛い……やめ……っ!」
高耶が悲鳴を上げて上体を撓らせた次の瞬間、男の凶器はズリッと音を立てて一気に沈んだ。

「アアアアア!」
憐れな悲鳴が迸った。体の中心から脳まで突き上げるような衝撃と激痛。
高耶の苦痛とは裏腹に、熱く狭く、絡みつくようにきゅうきゅうと締めつけてくる襞に、男は眩暈を覚える。
「やあ……抜い……痛い……」
ぼろぼろと涙を零しながら、子供のように苦痛を訴える高耶がいとおしくて、男は根元まで繋がったまま、何度も震える背に口づけた。
「我慢して……いい子だから……すぐに痛くなくしてあげるから……」
そうして、男は宥めるように、前にまわした腕で萎えたペニスを袋ごと握り込むと、深々と繋がったままの腰をそっと揺すりはじめた。

「アアッ……ク、」
「高耶さん……高耶さん……」
繰り返し名前を呼ばれて、前を刺激され、出し入れのない揺りかごのような優しい動きに、いつしか高耶の唇を零れる喘ぎに苦痛以外の色が滲む。
「やっ……ンン……ア、」
「高耶さん……、」
高耶が感じはじめているのを悟って、男が少しだけ腰を引いて、そっと突き入れると、たちまち甘い悲鳴が上がった。
「ヨクなってきましたね……」
その証拠に、男の掌の中で若いペニスは再び勃ちあがって、熱く脈打ちはじめていた。
「気持ちいい……?」
細い背に覆い被さるように、男が体を倒して耳朶に囁くと、云いあてられた羞恥と淫らな自分を認めたくないのだろう、身を震わせて泣きながら嫌々をする。
「嘘をついては駄目ですよ……」
男は更にいとしい体を高めてるようにゆったりと腰を使って、やりながら、甘く残酷に囁いた。


あなたのことは、あなたよりよくわかるんですよ。
俺に犯されて感じる淫らな自分を認めてしまいなさい。


洗脳のように繰り返される、甘く残酷な囁き。
「ひっ……ク、」
啜り泣く背に、男はいとおしげに口づけて、
「高耶さん……動きますよ……もっともっとヨクしてあげるから……」
「ひいっ……ンン……あ……、」
ローションの助けを借りて、男の凶器はくちゅくちゅと淫らな音を立てながら狭い秘所を滑らかに出入りする。
敏感な襞を熱く大きなソレで擦られ、抜けるギリギリまで引かれては突き入れられる度、男を銜えた箇所から痺れにも似た快楽が走って、高耶は声にならない悲鳴をあげた。
「アアッ……なおっ……」
「高耶さん……」
男の掌の中で若い昂ぶりは透明な先走りを零し、口をついて零れる喘ぎはより激しくなっていく。
「アアッ……く……あ……!」



淫らな動きに合わせて、ギシギシと軋むベッド。
腰だけを高く掲げた獣の姿勢でただひたすら貪られて、飲み下す余裕もなく、口端から銀の糸を滴らせ、ガクガクと揺さぶられる体。

男もそろそろ限界なのだろう、打ちつける腰の動きが早くなり、引かれた腰がより深く突き入れられた時、掠れた悲鳴とともに高耶の襞がきゅうっと収縮し、男の掌の中で若い楔が弾けた。
「アアッ……!」
食いちぎらんばかりに締めつけられて、男が快楽のあまり「ウッ」と云う低いうめきを漏らす。
痙攣する熱い襞に、一際激しく打ちつけられる腰。
「高耶さん……!」
「ヒッ……」
高耶より僅かに遅れて、きつく収縮する襞の中で男が達した。

自分の体内に熱い体液がどくどくと注ぎ込まれるのを感じて、高耶の口から吐息のような喘ぎが零れる。
一滴残らずすべてを注ぎ切って、満足気な吐息とともに男がずるりと己を引き抜くと、綻んだ蕾と萎えた男の先端が、たった今まで二人がひとつになっていた証のように淫らな糸を引いた。



男が出ていっても、クッションをあてがわれた腰は男に向けて高々と掲げられたままで、高耶は弛緩した体を力なく投げ出して肩で息をしていた。
すると、しどけなく開いた秘所に再び何かが押し当てられ、高耶は目を見開いた。
「なに……なお……っ、」
「大丈夫だから……」
怯えたように振り向く高耶に、男は諭すように囁く。
高耶は知る由もなかったが、男が手にしているのは、黒い皮のベルトのついたシリコンのアナルプラグだった。

「じっとして」
囁きとともに、きつく押し当てられたソレは、ローションと男が放ったばかりの白濁で濡れる門をくぐって、一気に奥まで沈む。
「アアッ……!やだっ……なおっ……」
「我慢して……」
男は、嫌がる高耶を宥めながら、埋め込んだ楔型のソレが抜けないようしっかりとベルトで固定すると、どろどろに濡れてしまった内腿をタオルで拭って清めてやり、いとしい体を仰向けに横たえた。
「やだっ……、こんな……」
異物を含まされたままで固定されて、異様な感触に高耶は泣きながら許しを乞う。
男は諭すように微笑んで、
「馴れるまでは、気持ち悪いかもしれないけれどいい子だから我慢して……こうしておかないと、あなたはせっかく飲ませてあげたミルクを零してしまうでしょう?」


それに、あなたの中を濡らしたままにしておけば、いつでも俺のを入れて、愛してあげられますからね。
優しい口調で淫らに囁かれて、ぼろぼろと涙を零す高耶に、男はうっとりと囁いた。


「疲れたでしょうから、少し休んで下さい……後でまた、愛してあげますよ」


目の前に、被虐に満ちた快楽と云う名の底無し沼がぽっかりと口を開けている。
これから自分は、何処まで堕ちていくのだろう。
いとおしげに口づけてくる男の下で、高耶は一人静かに涙を零した。



To Be Continued.


読んで下さってありがとうございました。今回で、やっと導入部が終わりましたの(爆;
「病み上がりのあなたにひどいことなんてしない」とか云ってるそばからシテるやんけ!と云う関西ツッコミが入りそうですが(笑;直江の感覚だと、その言葉通り何もひどいことはしてないんですのv

次回の第八夜からは仕切りなおしです(笑)
飴と鞭の飼育と調教、躾と学習の日々をお楽しみに…ですの(^-^;)