Decadent Eveパラレル劇場
クリスマススペシャルpresented by milkey417
クリスマスイブ当日。
手紙の差出人である直江の屋敷では、当主の直江の要請で、早朝からダ×キン本社より派遣された選り抜きの精鋭部隊の手で、徹底した年末大掃除が決行されていた。今宵はいよいよ直江だけのアマデウス・仰木高耶がこの屋敷にやってくる日である。
屋敷のどこででも、思い立った時と場所で彼と愛を交わせるよう(爆)、屋敷中を綺麗にしなければならない。特に高耶がやってくるであろう煙突と、それに続く暖炉は直江の命により、より念入りに磨きあげられた。掃除が終わり、ピカピカになった屋敷には、本物のもみの木を使用したクリスマスツリーだの、直江がこの日の為に用意した勝負スーツだの、高耶に着せて脱がせてあんなことする為のHな衣装だの、高耶を歓ばせる為の電動の玩具だの(爆)、ベルベットローズの花束だの、七面鳥だの、ケーキだの、シャンパンだのが続々と届き、そうしてこの一大イベントを迎えるすべての準備は整った。
屋敷の主、直江信綱は実は住職である。
今年の正月、檀家のある松本シティまでおつとめに出かけた際、お約束通り、偶然見かけたピチピチの高校生、仰木高耶に一目惚れしてしまい、以来、身を灼く恋に悶々とする日々を送ってきた。仏に仕える身でありながら、直江の心を占めるのは、高耶のあられもない姿ばかり。
煩悩に身をやつしてはいけないと思いつつ、直江は高耶に熱狂していく自分を止めることができなかった。あのひとの制服を引き裂いて、その滑らかな肌に口づけたい。
滾るリビドーのまま、あのひとの中に己を突き立て、あのひとと繋がり、あのひとの熱い蜜をすすり、己の白濁であのひとを満たしたい。
ほしい、たりない、愛しているんだ。そして、高校を卒業した高耶の就職先を知った時、直江はあまりの幸運に叫びそうになった。
日本サンタクロース協会、通称N.S.K。手紙を出せば、クリスマスの夜に望みのプレゼントを届けると云う、直江家が毎年、多額の寄付をしているあの団体ではないか。
協会は信用第一であり、タニマチである自分の願いを無視するわけにはいかないだろう。
直江の心は決まった(馬鹿;)
そして、待つこと約11ヶ月。堪え難きを耐え、忍び難きを忍び、ようやくこの日を迎えたのである。
深夜。子供達が寝静まった頃、各シティの協会事務所から、プレゼントをぎっしりと詰め込んだ布袋を抱えたサンタ達が、夜空に向けて一斉に出発した。高耶もサンタ型ワンピースを身に纏うと、大きな布袋を抱えて家を出た。
自身がプレゼントである高耶の布袋は、他のサンタ達と違って空だ。直江の屋敷に着いたら、自分が中に入るのである(笑)
高耶は本来、協会の事務員であり、サンタではない。当然、トナカイの運転免許も持っていない為、かわりに協会でペットとして飼われている黒豹のコタがソリを引くことになった。
やがて、コタの引くソリは宇都宮シティ上空に着き、直江屋敷の屋根に音もなく降り立った。
「──ここまででいいぞ。御苦労だったな」
高耶がねぎらい、頭を撫でてやると、コタは悔しそうに俯いた。
高耶自身がプレゼントな以上、コタは高耶を置いて、一人(ってか一匹で/笑;)空のソリを引いて戻らなければならないのだ。高耶をみすみす、見知らぬ男の元に送り届ける役目になろうとは……自分が人間であったなら、この人を攫って逃げるのに。
己の無力を呪いつつ、歯を食いしばり、夜空に戻って行くコタを見送った後、高耶は煙突を覗き込んで中の様子を伺った。
室内は静まり帰っていて、家人はすでに眠りに着いているらしい。
高耶はごくりと息を飲むと、意を決して煙突に潜り込んだ。
屋敷の住人を起こさないよう、高耶は慎重に暖炉の中に降り、室内に侵入した。
灯の落されたリビングは、しんと静まり帰って、天井まで届きそうな大きなクリスマスツリーの点滅するライトとキャンドルの仄かな炎だけが揺れている。テーブルの上には、今にもパーティが始まるのではないかと云う豪華な料理が用意され、無数のプレゼントと思しきリボンの着いた箱が山になっていた。
(早く差出人を探さないと……)
音を立てないよう、ドアに向かおうとしたその時だった。
背後から、やわらかな声がした。
「来てくれたんですね……お待ちしていましたよ、高耶さん」高耶はビクッと身を竦ませた。
(しまった……!)
協会の掟では、サンタはあくまでも相手が目覚める前に、その枕元にプレゼントを届けなければならないのである。姿を見られるなどもっての他だ。
まあ高耶の場合は自身がプレゼントなのだから、どうせ朝になれば見つかってしまうのだが、それにしてもこんなに早く……思わぬ失態に俯く高耶を前に、男は眩し気に微笑んだ。
高耶は覚悟を決めると、相手に向き直った。
ドアの前に深紅の薔薇の花束を抱えた一人の男が立っていた。
身長190近くはあるのではないだろうか。こんな時間なのに、きちんとスーツを着込んでいるところを見ると、元々眠ってはおらずに、自分の訪れを待っていたのだろう。
高耶はおずおずと口を開いた。
「あっ……、あんたが、直江、か……?」
「ええ。私が手紙を出しました。高耶さん、来てくれて嬉しいですよ……この日を……あなたをどんなに待ったことか……」直江は立ち尽くす高耶の側に近づくとその足元に跪き、うっとりと囁いてその手を取った。
松本シティから宇都宮シティまで、真冬の夜空をソリで飛ばしてきた高耶の手は、すっかり冷たくなっていた。
「こんなに冷えきって──大丈夫、すぐに暖めてあげますよ……」
直江は囁くと、その手の甲に口づけた。
高耶は酷く戸惑ったように、
「あ、あんた、……どうしてオレを……?」
直江はそれには答えず、微笑んだまま立ち上がり、
「これをあなたに──」
と囁いて、戸惑う腕にベルベットローズの花束を手渡した。
「思った通り──あなたには、深紅の薔薇がよく似合う」そして、直江の手で、暖炉に火が入れられた。
わかってはいたけれど──高耶は小さく唇を噛みしめた。暖炉に火をいれられてしまったら、高耶はもう戻れない。『汝、煙突以外、出入りするなかれ』
サンタは掟によって、配達先の家に煙突がある場合、煙突以外の屋内外の出入りを硬く禁じられているのであった(笑)
直江は戸惑う高耶を抱きよせ、囁いた。
「これであなたは帰れない──いえ、帰しませんよ。あなたは私へのプレゼントとしてこの屋敷に来た……あなたはもう、私のものです。大事にしますから……ずっとこの屋敷で、私の腕の中で、私だけのものでいてください──愛しています、高耶さん」
高耶はまるで見えない何かに呪縛されてしまったかのように、その場から動けず、抵抗も忘れて男の腕に身をまかせていた。
「んんっ、やっ……」
深夜の静まり帰ったリビングに、高耶の喘ぎだけが響いている。
あなたを帰さない、と囁いた男は、戸惑う高耶を壁に押し付け、細い体に覆い被さるとその自由を奪い、唇を奪った。
男にしては柔らかすぎる甘い唇を存分に貪って、強引に舌を差し込む。
「ンンッ……」
逃れることを禁じられ、男を押し戻す術もなく──性に疎い高耶は、初めて受けたあまりに激しすぎるその口づけだけで、すっかり息があがってしまい、男の背中に回した腕で必死に捕まって崩れそうになるのを堪えた。「高耶さん……」
熱い囁きに、何がなんだかわからなくなる。
初めて会ったばかりなのに、この男から離れられないと云う、甘く危険な確信。
唇を、首筋を強く吸われて目眩すら起こしそうになり、殆ど抵抗もできないうちに、サンタ型のワンピースはあられもなくはだけさせられ、下着すら取り去られて、気がつけば高耶は半裸状態だった。「やあっ……、なおっ……」
直江はわざと感じやすい耳朶に舌を差し込み、仰け反る首筋に舌を這わせ、彼が着ている衣装と同じぐらい紅い胸の突起を唇に含んで、カリッと一瞬きつく歯を立てた。
甘い痛みにビクンと震える体。
「やっ、そこっ……」
「……ココがいいの?」
囁かれて、高耶は真っ赤になって嫌々をするが、恥じらうその姿は男の欲望の火に油を注ぐだけだった。ふと、柔らかな唇に二本の指が差し込まれた。男は甘く囁く。
「舐めて……」
あくまでも優しい口調の裏に見えかくれする、男の狂気──それを本能で感じ取って、高耶の皮膚があわめく。
男の指は、やがて下の口を犯すだろうと同じ卑猥な動きで高耶の口腔を蹂躙した。
「ちゃんと濡らして……いい子だから、ね……」
「ンンッ──」
暖かな口腔をたっぷりと指で味わうと、直江は銀の糸を引くその指を高耶の背後に回して、滑らかな双丘の狭間に徐に潜り込ませた。「クッ……!」
高耶はまさぐろうとする指から逃れようと、結果的に尚も強く直江の胸に飛び込む形になった。
容赦のない指先が硬く閉じた蕾に差し込まれそうになり、逞しい背中に縋るように回された指が、思わず立てられる。
「なお……駄目……ッ、」
「初めてですからね……ココ、うんと解さないとね……」
カーッと紅くなった高耶の首筋に、直江は再び口づける。
「力を抜いて……高耶さん」
真っ赤になって嫌々をしかけた高耶が、次の瞬間、アッと声をあげて仰け反った。
「ンッ……!ああっ……」
男の指先が唾液の滑りを借りて、ついに蕾を割って侵入したのだ。高耶は堪え切れずに喘いだ。「やっ……ぬい……なおえぇっ……!」
初めての、ひらがなモード発動の瞬間だった。直江の上半身は感動にじんと打ち震え、その下半身はこの体に今すぐ入りたい(爆)と権利を主張しドクン、と震える。
「高耶さん……」
直江は柔らかな襞を傷つけないよう、慎重に指を沈めていく。
その途端、痛がる高耶をなだめるように、指先を小刻みに揺らしながら、そっと出し入れをしてやると、高耶は自ら直江の背にしがみついて喘ぎはじめた。「やあっ……あ、……ッ、」
やがて、その喘ぎに苦痛以外の甘い色が滲むと、高耶のそれまで萎えたままだったペニスがすっかり震えて勃ちあがった。
直江は愛しさに目を細め、高耶の内部に指を飲み込ませ、壁に寄り掛からせて立たせたまま、身を沈めて屹立した先端の割れ目に尖らせた舌先を這わせた。
その途端、電気のような痺れが高耶を襲った。
「ああっ……なおっ…!駄目、だ……」生まれて初めてひとの口で含まれて、悲鳴をあげて仰け反る高耶。直江は強弱をつけ、喉奥まで上下してやりながら、後ろに埋め込んだ指先をあやしく蠢かせる。
前も後ろも男の巧みな手管で弄ばれて、高耶は堪え切れずに昇りつめる。
「……なおっ……はなし……だめ、──も、でるっ…」
弱々しく男の髪を掴んで股間から引き剥がそうとするのを、直江はまるで叱咤するように一際強く埋め込んだ指先で後ろを抉り、前を吸い上げる。
そうされた次の瞬間、高耶はか細い悲鳴とともに、直江の口の中に放ってしまっていた。「あーっ……、」
放出と同時に、指を含んだ襞がきゅうきゅうと収縮する。感じすぎてひける腰を逃れられないように押さえ付け、直江は吹き出すしろいものを一滴も残さず吸い上げ、飲み干した。
「ああっ……あ……」
すべてを飲み切って、ようやく顔をあげると、直江は長い指先で口端に零れたそれを拭いながら、うっとりと微笑んだ。
「高耶さん、あなたの蜜は……甘い……」直江は立ちあがると、羞恥のあまり真っ赤になり、立っているのもやっとな高耶の耳朶に囁いた。
「今度は俺のを飲んで下さいね……この、可愛い下のお口で」
そう云って、まだ埋め込ませたままの指先で、これから自分を受け入れる愛しい襞をぐるりとなぞった。
何がなんだかわからないまま──高耶は暖炉の前に敷かれた毛の長い絨毯に組み敷かれ、獣の姿勢を取らされていた。
放ったばかりの体は力が入らないばかりか、直江の手管はあまりに巧みで、口づけすら初めて経験したばかりの高耶に、逃れる術はない。背に覆い被さられ、首筋から背筋に口づけられ──そうされている間も、埋め込まれた指は高耶の中であやしく蠢き続けて、いつしかその本数は二本に増やされていた。
「やっ……なお……っ、」
容赦なく与えられる前立腺への刺激に、堪え切れずに溢れる喘ぎは苦痛よりも甘く、放ったばかりのモノが再び勃ちあがりはじめているのを見て取って、直江は徐に前をはだけて己の凶器を取り出した。散々、体内からまさぐっていた指がスッと引き抜かれる。
高耶の唇から吐息のような声が洩れた。
「高耶さん……、力を抜いて……」
「なに、なお……あ?」
囁きとともに、熱くて硬いものが押しあてられたかと思うと、次の瞬間、圧倒的な力と容量で、高耶は貫かれていた。「アアアアア──ッ!」
凄惨な悲鳴が迸った。己の身に、何が起きたのかのわからないまま、高耶は哀れな悲鳴を上げ続けた。それまで埋め込まれていた指とは比べ物にならない、大きくて熱いモノが、自分の中にいる。
「……ああ……ヒッ……」
「高耶さん……」
焦がれ、求め続けてようやくひとつになれた高耶に、狂うほどの愛しさが込み上げる。
直江はぴったりと覆い被さるようにその背に己の体を密着させて、奥まで繋がったまま細い体を抱き寄せた。
「ッ──」
その動きのせいで、また痛みが走ったのだろうか、高耶が声にならない悲鳴をあげる。
わずかに腰を引いて、再び突き上げれば、それだけでたちまち高耶は悲鳴を上げてのたうつ。高耶の襞は驚くほど熱く狭く、溶かされてしまいそうだと直江は思った。破瓜の苦痛がおさまるまで、直江はひたすら高耶の名を優しく囁いて、深く繋がったまま、細い腰をそっと揺すってやった。
幼い子供をあやすかのように。そうされているうちに、我慢できる程度に痛みが和らいだのだろう、苦痛のあまり竦みきっていた体から力が抜け、わずかに締め付けが弛むと、直江は少しづつ動き出した。
「やっ……クッ、」
高耶の内部は少し傷ついてしまったらしく、接合部からぬるっと生暖かいものが内腿を伝ったが、むしろそれが潤滑剤がわりとなって、直江が秘所を出入りする度、苦痛以外の何かがじわじわと背筋を這い上がってくる。
「なおっ……」
それまで知らなかった感覚に泣き出しそうな声が男の名を呼び、男は愛おしくてたまらないと云うように高耶の名を呼んで、ゆっくりと確実に高耶を快楽へと追い上げる。「高耶さん……よくなってきましたね」
羞恥と戸惑いで、嫌々をする高耶の耳元に甘く囁く。
「ほら、……俺とひとつになって……あなたのぼうやが大きくなってる」
直江は囁いて、前に回した腕で、再び勃ちあがりはじめたソレを包み、扱いてやった。
「アアッ──ア……」
後ろを深く犯されたまま、前を扱かれて、仰け反る背。
「高耶さん……!」
直江は四つん這いだった高耶の上半身をぐっと抱き起こした。
「ヒッ!」
膝立ちで背後から貫かれ、回された腕で前も扱かれる形になって、高耶は身を捩る。
「クッ、なおっ……!」
「高耶さん……高耶さん……」
男はひたすら腰を使いながら、高耶の名を繰り返し囁き、その首筋に唇を這わせ、胸の突起を弄び、屹立し、透明な蜜を零すソレを扱く。
激しく出入りする直江の凶器、撓る体。「ああっ、……も、でるっ…」
高耶があられもなく口走った時、彼のペニスの先端からしろいものが飛び散って、クリスマスツリーをまるで淡雪のように飾った。
「高耶さん…!」
同時に、高耶のいちばん深いところにも直江の熱いものが注ぎ込まれ、直江が名残り惜しげに己を引き抜くと、蹂躙されて綻んだ蕾から破瓜の紅と直江の白濁が内腿を伝って零れ落ちた。がっくりと力の抜けた高耶を抱き起こすと、直江は涙の滲む目元に口づけた。
「メリークリスマス、高耶さん……プレゼントは確かに頂きましたよ……これから、ずっとこの屋敷で、俺の側にいて下さいね……」
意識を無くす直前、直江の腕の中に抱かれた高耶が見たのは、男の微笑と、窓の外に舞い散る白い雪だった。
12月26日。
年に一度の大イベントが終わり、平穏が訪れたN.S.K事務局に、一通の封書が届いた。それは事務局職員、仰木高耶の玉の輿(笑)による寿退職を告げる辞表だった。そして、翌年の元旦の朝には、「私達、結婚しました」の写真入り年賀状が届いたのは云うまでもない♪
おしまいv