直×高しーくれっとしょた劇場
しょた前夜・3 直江バースデー間近編
Presented by milkey417
高耶はこの春、小学校3年に進級した。
新しいクラスにも慣れ、友達もでき、もうすぐ待ちに待ったGWである。
そして5月3日は、高耶が誰よりも大好きな直江の誕生日だった。
高耶が直江と暮らしはじめたのは、去年の6月だったから、これが初めて二人で過ごす、直江の誕生日である。
高耶の小さな胸は、その日をどうお祝いするかでいっぱいだった。
去年の高耶の誕生日は、直江はディズニーランドに連れていってくれた。
朝からめいっぱい遊んで、すっかりお腹もすいた頃、直江が「今日はディズニーランドの中のホテルに泊まりましょう」と云って、ホテルの部屋に入ったら、室内には『高耶さんお誕生日おめでとう』の飾り付けとともに、ケーキは勿論、お花だの、ご馳走がそれはもう食べ切れないぐらい用意されていて──しかもプレゼントは、高耶がずっと秘かに前から欲しいと思っていたおもちゃだったから、高耶は嬉しくて直江にとびついた。
その日から高耶は、来年の直江の誕生日は、今度は自分が直江をめいっぱいお祝いしてあげるんだ、と心に誓っていた。そうして最初は早く直江の誕生日が来ないかな、と張り切っていた高耶だったが、実際にその日が近づくに連れ、どうしたら、何をあげたら直江がいちばん喜んでくれるのかがわからず、高耶は悩んだ。考えても考えても、わからない。
折り紙で部屋中、飾り付けをして、ケーキを買って……ううん、こんなの駄目だ。
直江は、大人だ。
折り紙の飾り付けなんて嬉しくないに決まってる。
ケーキだって自分が好きだから、いつも買ってきてくれるし、にこにこしながら一緒に食べてくれるけど、でも直江が本当は甘いものがそんなに好きじゃないことぐらいわかってる。
いつも優しい直江。大好きな直江。
直江が欲しいものって、いちばん喜んでくれることって、いったいなんだろう?
最近、直江は会社から早く帰って来るかわりに、家で仕事をする時間が長くなった。
夜中に高耶がふと目を覚ますと、一緒に眠っているはずの直江はベッドにいなくて、書斎で仕事をしていることも少なくなかった。
それで、朝は高耶より早く起きて朝食を作ってくれていて、高耶と同じ時間に家を出る。直江があまり寝ていないことや、病気になったりしないかと、高耶は心配だった。
きっと仕事で疲れているのに違いない。でも、直江は高耶の前では絶対に疲れた顔を見せずに、いつも変わらず優しい。
誕生日には、大好きな直江をうんと喜ばせてあげたかった。でも、どうしたらいい?
ノートパソコンに向い、山のような仕事を片付けていると、ドアの影に高耶が来ているのを感じて、直江は顔を綻ばせた。
高耶は直江が仕事中は遠慮しているのか、自分からは絶対に声をかけてこない。仕事の邪魔をしてはいけないと思っているのだろう、書斎に入って来ようともしない。
高耶は『嫌われること』に対して異常に敏感な子供だった。それはもう、こちらの胸が痛むぐらいに……直江としては、もっと遠慮せずにうんと甘えてほしい、と思うのだが。
直江は立ち上がってドアに向った。突然開いたドアに、どうして気づかれたのかとびっくりしている高耶の前に屈んで、微笑みかけた。
「高耶さん、どうしました?」
同じ目線でにっこりと話しかけられ、仕事の邪魔をしてしまったと俯く高耶の前で、直江はわざとらしく腕時計に目をやると笑顔を見せ、
「ああ、もうこんな時間ですね。そろそろ夕飯にしましょうね。ちょっと待っていてくれますか?」
と高耶を招き入れた。
何やら難しそうな本がびっしりと並んだ本棚。直江の仕事の、仏教や、不動産の本らしいが、子供の高耶には何のことやらわからない本ばかりだ。
いつもはすっきりと片付けられている机の上に、書類が散乱しているのを見て、やっぱり直江は、今、すごく忙しいのだと高耶は思った。仕事の邪魔をしてしまったと思い込み、高耶はすっかりしょげてしまった。直江はすぐに、それまで作成していた書類のデータを保存して、パソコンの電源を落し、高耶の側にやってきたが、しょげた顔つきの高耶を見るや否や、その体を軽々と横抱きに抱き上げ、徐に額にキスをした。
突然のキスにびっくりして目を丸くしている高耶に、直江は微笑んで、
「お返しのキスはしてくれないんですか?高耶さん」
自分の頬を示して笑う直江に、ようやく高耶の顔にも心からの笑顔が浮かんだ。
高耶は直江の首に腕を回すと、その頬にお返しのキスをした。
この日の夕食は、高耶の大好きなコーンスープとシーザーサラダと白身魚のムニエルだった。
さっきのキスで、高耶は機嫌を治してくれたようだったが、それでもやはり今日の高耶は、どこかぼんやりしていたり、考え込む素振りを見せたり、時々、思いつめた目でこちらを見たりするので、何か自分に云いたいことがあるのだと云うことは直江にはわかっていた。
食事が済むと、直江は自分にコーヒー、高耶にココアを入れ、ソファに腰を落すと高耶を膝に抱き寄せた。「どうしたの?学校で何かありましたか?」
さりげなく問いかけても、高耶は首を振るばかりで「なんでもない」と云う。
直江はそれ以上は聞かずに、ずっと高耶を膝に抱いていてやった。
高耶がいったい、何を悩んでいるのか、話してくれないことは淋しかったが、無理矢理聞き出すことだけは避けようと思った。話したくなれば、きっと自分から話してくれる。
高耶の方も直江の膝に抱かれて、気持よさそうに体を預けているので、しばらくは二人ですっとそうしていた。
毎日、高耶は、大好きな直江と一緒にお風呂に入る。
お風呂好きな高耶には、一日のうちでもいちばん楽しみにしている時間だ。
それに、いつもお風呂の時に直江がこっそり教えてくれる、大人の遊び。好きな人同士がすると云うその遊びは、誰にも内緒の二人だけのひみつだった。最初は、大人のキス。大人は好きな人には、唇や頬やおでこ以外の、いろんなところにキスをするって、直江が教えてくれた。
両手で一生懸命”いい子いい子”してあげると、しろいのを出す直江のアレにも、高耶は毎日キスをする。直江のしろいのは、嬉しくて出るんだって教えてもらったから。
直江が嬉しいのが嬉しいから。
今日も大きくなった直江のモノに、たくさんキスをして、両手と唇で一生懸命いい子いい子すると、直江は熱くて固くて大きなアレから、しろいものを出した。直江も、高耶の全身にキスの雨を降らせてきた。首筋とか、胸とか、耳とか……くすぐったくて変な感じだけど、直江が自分を好きでしてくれるのが、高耶には嬉しかった。
この日は『大人の遊び』が長引いて、長湯で高耶が少々のぼせてしまい(笑)、直江が「今日は、この続きはベッドでしましょうか?」と囁いたので、高耶はコクンと頷いた。
直江は湯上がりの高耶を大人用のローブでくるみ、抱きかかえてベッドに運ぶ。
のぼせてしまった高耶に、氷をいれたミネラルウォーターの入ったグラスを差し出すと、喉が乾いていたのだろう、高耶はあっと云うまに飲み干してしまった。
直江は微笑み、高耶が風邪を引かないよう、手早くドライヤーで柔らかな髪を乾かしてやる。直江の長い指で髪を梳いてもらうのが、気持よくて高耶は大好きだ。
髪を乾かし終わると、大人の遊びの続きがはじまった。「高耶さん、横になってごらんなさい?」
わけもわからず、高耶が云われるままベッドに横になると、直江が体重をかけないよう、気を使いながら高耶の上に被い被さって、ローブの前をそっとはだけさせた。
露になる、幼い体。
直江は上体を倒して、その唇に口づける。ついばむようなキスの後、舌が入ってきた。
「………っ、」
直江の舌が、高耶の幼い舌に絡められる。
いつもは浴室でしかしない深い口づけに、少し高耶の体が強張っているのを感じた直江は、怯えさせることがないよう、細心の注意を払いつつ、何度も何度も舌を絡め、決して怖いことではないのだと教えるように、優しく口づけた。
やがて安心したのか、高耶の体から力が抜けたのを見て取ると、そのまま、直江は唇で細い首筋を辿った。
子供特有の滑らかな肌に、ほんのりと散らされる紅い痕。
「んっ……、」
ふいに薄い胸の突起を含まれて、高耶が小さな声をあげる。片方を唇で吸われ、もう片方を指先で弄ばれて、高耶はもじもじと身を捩った。いつもはお風呂場で立ったままでする、大人のキス。
でも、こうしてベッドに寝たままでされると、なんだかぜんぜん違うと思った。
ドキドキするのは同じなんだけど、首とか、胸にキスされると、いつもはくすぐったくて変な感じなのに、今日はなんだか気持いい……?直江の片手が脇腹を滑り、更に下へと降りて行く。やがて、その手が幼い性器に伸び、そっと袋ごと包み込まれて、高耶はびくんと身を竦ませた。
「なおっ……、」
思わず高耶が直江の名を呼ぶと、直江は優しく微笑んで、
「大丈夫だから、怖くないから…ね……?」
その言葉に、高耶がコクッと頷くのを見て、直江はそっと愛撫を再開した。
「んっ……」
幼い性器は、優しいが、巧みな愛撫を受けて、すぐに勃ちあがる。
直江はそれを口に含んだ。
「やっ……なおっ……、」
暖かい直江の唇に含まれ、吸われると、これまで感じたことがないような感じがそこから広がっていく。唾液で濡れたソレを唇と指先で数回扱いてやると、高耶は「なおえっ、」と声を上げて、背を仰け反らせた。見れば細い内腿が痙攣したようにピクピクと震えている。
精通はまだなので、しろいものは出せなかったが、イったのだろう。
「なおっ……、」
自分に何が起きたのかわからず、今にも泣きそうな顔をしている高耶を、安心させるようにぎゅっと抱きしめてやる。そうされると安心するのだろう、高耶はすぐに細い体をすり寄せてきた。素肌で抱きあい、腕まくらをしてもらって、髪を撫でてもらっていると、すごく気持ちがよくて……高耶はだんだんと眠くなってしまった。
時計を見ればもう10時……子供はとっくに寝る時間である。眠くなって当然だ。腕の中でうとうとしはじめた高耶の髪を撫でながら、直江は必死で衝動を抑えていた。
高耶が愛おしい。このひとが。
直江はもはや限界だった。
眠りにおちる真際、直江が堪えきれずに放った言葉を、高耶は確かに聞いた。(高耶さん……あなたが欲しい)
翌朝、高耶が目を覚すと、裸で寝たはずなのに、いつのまにかパジャマをちゃんと着ていて、やっぱり直江はもうベッドにはいなかった。
寝室を飛び出し、ダイニングに向かうと、シャツの袖をまくった直江が朝食の準備をしていて、目玉焼きとトーストの焼けるいいにおいがした。
「なおえっ……」
高耶が声をかけると、キッチンに向かっていた直江は驚いたように振り向いた。
「おはようございます、高耶さん。どうしたの?随分早起きですね。これから起こしに行こうと思っていたところですよ」
直江が笑って、駆け寄ってきた細い体を抱き上げ、おはようのキスをした。
「なおえっ、きのう……」
(おれがほしいっていったよな?)
息せき切って云いかけて、高耶は咄嗟にその言葉を飲み込んだ。
その言葉の真の意味は、無論、高耶にはわからなかったけど、直江の欲しいものは「自分」なのだ。
大好きな直江が自分をほしいって云ってくれたことが、高耶には嬉しくてたまらなかった。それに、直江のほしいものがわからなくて、ずっと悩んでいたのである。
直江の誕生日に、自分をあげよう。
どうやってあげるのかわからないけど、とにかくあげるんだ。
それまで、このことは直江にはひみつにしようと、高耶は思った。
プレゼントは内緒の方が、もらった時きっと嬉しいから。何か云いかけて、突然口を噤んだ高耶に、直江が「どうかしましたか?」と聞くと、高耶は「なんでもない」と笑って、直江の首に腕を回して頬にキスをした。
直江の誕生日まで、あとわずかだった。
To Be Continued...
久々のしょたものです(^^;本当にたまにしか、しょたは書けないのですが;なんだか突然、思い立ちまして……書き出したらこんなになりました(笑;
ってか、またやっちまいました(爆;
去年の高耶さんバースデーも、昼らちバースデーイブ編で、今回も直江バースデー間近編;かんじんのバースデー当日はどうなのよ?って感じですね(笑;すいません〜;この後、直江バースデー当日に、体格と年令差を乗り越えて(爆)二人はついに結ばれ……るかな…?;
高耶さんが壊れないよう、祈って下さい(笑;
高耶さん、大好きな直江に無事にあげられるといいねv(何をだ/爆)尚、このお話はお友達のしょたスキー(笑)弘志様に捧げさせて頂きますm(_ _)m
ではでは読んで下さってありがとうございました(^^;