UNTITLED 5
BY SHIINA
直江は、オレの右手の甲に口づけながら云った。
「高耶さん……目を瞑って、じっとしていて……気持ちよくしてあげるから」
「………」
云われるまま、目を閉じる。
「……！」
いきなり、人差し指と中指の間に舌を這わされて、ビクッとなった。直江はオレの指を一本ずつ口に含んでは、丁寧に舌で愛撫する。指を含まれただけなのに、こんなに感じるなんて……
五本の指全部を丹念に愛された後、今度は手首から腕の付け根まで、羽のように口づけられたり、痕が残るほどきつく吸われたりした。
アイシテイル。直江が耳元で囁いた。
直江の唇が、首筋を伝って、胸におりていく。弱いそこを軽く噛まれて、オレはあやうく声を出しそうになった。
「……ッ、」
「高耶さん……、我慢しないで。あなたの声が聞きたい」
片方を指で揉まれ、もう片方をきつく吸われ、舌で転がされて……、とうとうオレは小さな声をあげてしまった。「高耶さん……そんなに、ここが感じるの？」
「ちが……、」
「嘘をついても駄目ですよ……？真赤になって……可愛いひとだ」……自分でも情けなくなる。男なのに、こんなに胸が弱いなんて。
それからオレは、許しを乞うまで、嫌と云うほど両方の胸を、唇と指で愛された。ようやく胸への責めを許されて、力が抜けたところに、今度はいきなり臍に舌先を突っ込まれ、驚いたオレはビクッと体を竦ませた。
それから直江の唇は、脇腹を掠めて、だんだんと下へ降りて行き……直江は一度体を起して、オレの額に唇を押しあて、
「高耶さん……我慢しないでイきたくなったら、イッていいですからね……、」優しい声でそう云って、すでに痛いほど張りつめているオレのものに手を伸ばした。
「ア……ッ！」声を殺すことはできなかった。直江の指で扱かれ、口に含まれて……根元を押さえられ、きつく吸われる。
唇が離れたかと思うと、指先が弱い先端を辿り、舌でそこを刺激されて……
「アアッ……、駄目っ……なおっ、」オレは感じすぎて、首を振り、何とか股間に顔を埋める直江を外そうとしたけど、許してもらえなかった。それどころか両手を押さえつけられ、叱咤するように軽く噛まれて……わざと解放を促すように、唇と手で上下に扱かれる。
ああ。駄目だもう、我慢できな……！
「──ッ！」オレはとうとう、直江の口の中へ放ってしまった。直江はゴクンと音を立てて、俺が放ったものを飲み干した。
ようやく顔をあげた直江は、肩で息をしているオレに、わざと見せつけるように、嚥下しきれず口元に溢れた白い雫を、指で拭って含んでみせた。
「甘いですね……あなたのは。何度でも飲みたくなる……」
「……ッ」真赤になって、何も云いかえせないでいるオレに、直江は微笑しながら覆い被さってきた。
「……今度は、あなたが俺のを飲んで。……可愛い、下のお口でね」
そして、甘い声で云われた。
俯せになってと。オレは夢遊病患者みたいに、震える体を起こして、云われた通りにした。
「高耶さん……腰を上げて」
こんな恥ずかしい言葉にも、素直に云うことを聞いてしまう。「いい子ですね」
そう云って、直江は浮かせた腰の間にそっと、二つ重ねた枕を押し込んだ。膝は立てず、脚は投げ出したままだ。枕のせいで、腰だけを高く突き出した恥ずかしい格好。
「優しくするから……力、抜いて……」直江のものが、オレのそこに宛われ、限界まで押し広げられて……ゆっくりとオレの中に入ってきた。
「………ッ」さっき直江が放ったものが潤滑剤になってくれたけど……、最初の荒っぽい行為のせいで、オレの内部は少し傷ついてしまったらしく、挿入には痛みが伴った。
でも、直江とひとつになる為に、オレは必死で声を殺した。シーツを握りしめる手を、直江の手がしっかりと握ってくれる。ようやく、いちばん奥まで体を進めると、直江はオレが落ち着くまで、じっと動かずにいてくれた。
つらそうなオレの様子を見て取ったのか、直江が心配そうな声で聞いてきた。
「高耶さん……、痛い？」
オレは首を振って、
「……だいじょうぶ、だから……、」
動いていいと。「すぐ……痛くなくしてあげるから……ちょっとだけ、我慢して下さいね」
直江が優しい声で云って、……ゆっくりと動きだした。
「……ンッ……ア、……ンン、」
緩やかな動きに刺激されて、そこがだんだんと解れてくるのが、自分でもわかる……「高耶さん……、すごく──いいですよ……、」
直江が耳元に囁く。
オレはゾクッとした。直江が、感じてる……！
「……なお、え……、」
「あなたの中……、すごく熱い──溶けてしまいそうだ」直江が本当に感じてるのがわかって、オレまで眩暈がしてきて……自分の肉が直江のものを、ぎゅっと締めつけるのが、わかった。
「高耶さん……高耶……！」
「なお、え……、！」
直江も限界になったのか、少しづつ動きが早くなっていく。
「アア！──ア！なお……、直江ぇ！」枕を宛われているせいで、腰を引くことができないオレは、嫌でも最奥まで突かれることになる。
その上、直江が手を回して、オレの前をしっかりと握って上下に扱きだしてきたから……オレはもう、狂ったように首を振って叫ぶしかなかった。「アアッ！駄目、なおっ」
直江がオレの前を握ってきたのは、枕を汚さない為でもあるんだけど……でも、こんなにされたらオレ──本当に狂っちまう！「なお、なおえぇ……ッ！も、駄目……出る……！出……」
「高耶さんッ……一緒に……」
そう囁かれた直後、激しく直江のものが打ちつけられて……、
「──ッ！！」一気に上り詰めたオレが、直江の手の中に放ったのと、直江が俺の中に放ったのは、ほとんど同時だった……
呼吸が乱れて、肩で息をしてるオレの上に、直江が体を倒してきた。
もちろん中には、まだ直江のものが入ったまま。直江はオレの背中に口づけて、云った。
「高耶さん……最高ですよ」
おまけ（爆）
直江のバカ！
いくら、一晩中寝かさないから覚悟しろ、なんて云ったって……いくらなんでも、限度ってもんがあるだろうが！
本当にこいつ、限界ってこと知らないんだろうか？この日、もう何度目かもわからない。
オレは両脚を高々と抱えられ、大きく開かされた霰もない格好で、直江に深々と貫かれていた。「……いいですよ、高耶さん……、あなたもオレの、気持ちいいでしょう？」
……んなこと、云えっかよ！
オレが答えずにいると、直江は少しだけ、強く腰を動かした。
「アッ……！」
思わず、声が洩れてしまう。「……云って、高耶さん──オレの、気持ちいい？」
「や、……そんなの、」
「云えないんですか？……オレにされるの、どんな感じ？云わないと、──ほら」
また、少し強めに突かれた。「──ッ！……なおッ、やめ……、」
お前、優しくするって云ったくせに……！
ああ、駄目だ。少しづつ動きが早くなってくる。「云わないと……もっと酷くしますよ？」
「や……ッ、」
畜生！こいつ絶対サドだと思う。「気持ちいいんでしょう？……わかりますよ。あなたのここ、オレのを離したくないって、グイグイ締めつけてくる……いいって、云ってごらんなさい？」
「………ッ、」悔しくて、意地でも云うもんかと唇を噛みしめていると、直江が苦笑した。
「意地っぱりですね、あなたは。……わかりました。いいですよ、無理に云わなくても……時間はたっぷりあるんだし……すぐに、嫌でも云わせてあげますよ」不吉なことを云って、直江がオレの腰を掴む手に力を入れると、ゆっくりと抜けるギリギリまで引いた。
う、嘘だろ……？
目を見開いた俺が、制止の言葉を云う間もなく。
「な、直ッ、やめ……アアーッ！」次の瞬間、一気に奥まで突き入れられて、思わず悲鳴をあげてしまった。そのまま、激しい出し入れを繰り返されて……オレはその度に、泣き声に近い声をあげさせられた。
「アアッ……やめ……ッ！なお、──直江ぇッ！」やっと、直江が動きを止めた。
そして、グッと体を倒してくると、また耳元に囁かれた。
「高耶さん──いいですか？」涙が出てきた。どうしても、云わせたいらしい。
「……っかやろ……、」「まだ、足りないようですね」
「！……アアッ！」
また、激しく突かれた。何度も何度も。その上、今度は最奥まで突かれたまま、激しく腰を回される。嫌と云うほど教えこまれた、あの後ろだけでイかされる時の感覚が、じわじわと駆け登ってきて……、一瞬、気が遠くなりかけた時──
オレは無意識に、その言葉を口走ってしまったらしかった。
直江がふいに動きを止めたせいで、ハッと我に返ったけど……もちろん、その時はもう遅くて……
悔しくて、顔を背けると、直江が苦笑しながら云った。
「……可愛いひとだ」
力尽きたのでおしまい（笑）
はじめて書いた高耶さんの一人称Ｈです（＾＾；
なんかもーギャグですね（笑）こんな直江に甘いのは、高耶さんじゃないってわかってるけど、椎名は直江が大好きな高耶さんが好きなので、どーしても直江に甘くなっちまいます（苦笑）
うちの直江は高耶さんが優しくて、おまけにヤリ放題で幸せだなあ（笑）
つーか、書いてる本人がいちばん幸せか？（爆）最後まで読んで下さった方、どうもありがとうございました♪