714&417 なんちゃってリレー小説
「しーくれっと襲い受劇場 後編」


CAST ラチされた攻(笑)直江信綱
   ラチした受(笑) 仰木高耶

by 417




両腕を頭上で戒められたままで、男は熱く囁いた。

「服を脱いで……高耶さん」
言葉通り、あっさりと衣服を脱ぎ捨て、生まれたままの姿になったいとしいひとを、男は眩しげに見つめる。
「勃っていますね。……その可愛らしい坊やで、俺をやりたいですか?──できないでしょう。あなたは、男のくせに、俺にされなきゃ満足できない。そういう体になっている」
指摘された高耶が、途端にカッと赤くなった。
「黙れ……!」
男は尚も煽るように、
「『オレをこんなにしたのは何処のどいつだ』と、云いたげな顔をしていますね」
高耶の顔が、尚も赤くなる。
「誰も、んなこと云ってねえ!」
まるで子供のような反応を返すいとしいひとに、男は苦笑したような笑を浮かべた。
(本当に……あなたというひとは……)
男は、尚も熱く高耶を見つめ、
「そうですよ……仰木高耶。俺があなたをそういう体にしたんです」
囁く声は、甘い。
「どうやら、あなたが俺に飲ませた薬が効いてきたようですよ───ほら、こんなに大きくなっている。さきっぽから、涎をたらして、あなたの中に入りたくてうずうずしてる」

男の方が霊枷で繋がれている状況は変わらないが、もはや完全に形勢は逆転していた。
すっかりいつものペースを取り戻した男は、なおも淫らに囁いた。
「高耶さん……俺のコレが欲しくて、こんなおいたをしたんでしょう?早くここに来て、俺を銜えて」
そうして、欲しいだけ腰を振って、あなたに囚われたこの哀れな男を、好きなだけ食い尽くせばいい。

だが、そんな囁きにさえも、この日の高耶は負けてはいなかった。
口端に、あの傲慢な笑を浮かべ、
「減らねえ口だな……おまえが出ないと泣きを入れるまで。今日はオレが一滴残らず搾りとってやる」
「……やってみればいい。やれるものなら」





男の屹立の真上に腰を落した高耶の唇から、声にならない声が零れた。
いとしいひとが、自ら、己の肉と結合しようとする様を、男は熱い眼で見つめている。
「……ッ、」
先端から染み出した先走りの体液が、潤滑剤代わりになっているとはいえ、まったく馴らしていない為、いきなりの挿入がつらいのか、くびれ部分までを飲み込んだところで、動きを止めた高耶の端正な顔が、甘い苦痛に歪んだ。

結合部を熱く見つめていた男が、揶揄るように囁く。
「どうしたの……あんなに威勢がよかったくせに。もう降参ですか?まだ半分も入っていませんよ」
「だまっ……てろ……」
高耶は意地になってきつく唇を噛み締めたまま、片手で男の根元を抑え、もう片方の指でくびれまでを含んだ蕾を自ら押し広げるようにして、なおも腰を落して行く。
「───クッ……、」
自らの意思で、ようやく男と最奥まで繋がった時、高耶の唇から、苦痛を堪えるような、掠れたような吐息が溢れた。

この身を裂いて、体内で脈打つ、熱くて太い肉塊。
──これが、おまえ。

眼を閉じたまま、高耶は男の肉を噛んだ腰を、ゆっくりと揺すりはじめた。
今、自分の中にいる男を、確かめようとするかのように。
男は、結合の快楽とともに、いとしいひとの一挙一動をその眼に焼きつける。

「いいですよ……高耶さん。あなたの中で、俺のがどくどくと脈打ってる。感じるでしょう?」
囁く声が、なかにいる男の鼓動が、熱い。
「───ック、」
云われるままに腰を振る高耶の唇から、耐え切れず、掠れた喘ぎが洩れた。

腕の自由を奪われていることなどものともせず、男は愛しいひとを眼で犯し、甘く淫らな言葉で嬲る。
「もっと腰を振って、存分に俺を貪って。坊やを握って。思いきり擦って。そう──とってもお上手ですよ。ほら、さきっぽから、美味しそうな蜜が零れてる。その可愛らしい坊やにむしゃぶりついて、一滴残らず飲み干したくなる」
「いやらしい……男だ……ッ、」
必死の反論も、この男の前では何の役にも立たない。
「そのいやらしい男が欲しくて、こんなおいたをしたくせに。俺のを銜えて、いまにもしろいのを吐き出しそうなほど、感じているくせに」
「だま、れ……クッ──ア、」

結合した腰の動きに合わせ、ギシギシと悲鳴をあげる粗末なベッド。
傲慢な支配者のあなたに、従う喜びを教えてあげたい。
四百年、踏みにじってきた男に、従うのは、気持いいでしょう?

不意に、高耶の呼吸が激しくなった。
愛しいひとの絶頂が近いと悟った男が、己を貪り、屹立を扱く高耶の動きにあわせるように、腰を使って真下から突き上げる。
「アア──ア!……クッ、」
激しく振り乱される髪、きつく寄せられる眉。
薄く見開かれた、欲望に濡れた虎の眼に、吸い込まれそうになる──。
「───!」
顎を突き上げ、愛しいひとが果てる様を、男は眼の眩む思いで見つめていた。





「……高耶さん……」
己の肉塊を生きた玩具にして、思うまま腰を振り、しろいものを吐き出して、激しく肩を喘がせている彼の名を呼んで、男が、「あなたのものですよ」と告げる。
それまでの揶揄るような囁きとは違う、真摯な告白に、顔を上げた高耶は、ひたむきな眼で見返してきた。
「………」
「俺も……この世界も。誰もが、あなたの前にひれ伏し、跪く」
あなただけが俺を生かし、殺すことができる。
「………」
囚われの男は、繰り返し熱く囁いた。
今、あなたの中にいる己の分身も、この身も心も。
オウギタカヤ。あなたのものだと。



「──直江」
深く結合したままで、高耶はしなやかな上体を倒してきた。
放ったばかりの体で、おそらくは口移しで飲ませた薬の作用だろう、極めることを忘れ、きつく硬度を保ったままの男を銜えているのは、それだけでもつらいだろうに。
濡れた眼で、互いの吐息が触れそうなほど近くで。
傲慢な主君の声が囁く。

「──朝まで、オレの中にいろ」
「景虎様……」
「その眼で──死ぬまで、オレだけを見ていろ」
「──御意」
求めてやまない唯一の支配者の、甘い呪縛に囚われた男は、幸福そうに微笑んだ。


Das Ende.




今、なかなか何かを書く時間がないので、去年、書いてお蔵入りになっていたものをひっぱり出してみました(^-^;)
いつもと違う仕様をと云うことで、逆ラチと云うよりは、直江を生きた玩具にして、快楽を貪る女王様な高耶さんが書きたかったんですが…見事撃沈;
いやー、誘い受もですが、襲い受も書くの難しいですι
結局は「これでする」なバカップル。甘甘です(笑;

にしても、羞恥と屈辱に唇を噛み締める高耶さんは三度の飯より好きですが、おまえとやりてえんだよ。文句あるかよ、みたいなやんちゃな高耶さんも可愛いですのv
自分ぢゃ書けないってのがよくわかりましたが(笑;

ちなみに、この後、この高耶さんは、霊枷を外された途端、ケダモノと化した直江においたの代償として、それはひいひいゆわされますv 
やっぱ、うちの直高はそっちの方がしっくりきますね(笑;へへへ(壊

では読んで下さってありがとうございました(^-^;)