ないしょ★ないしょ
BY しろうさま
え?
オマエ、なおえがこわがりなの、知ってるのか?ほんとに?
うん、そうそう!そーなんだよ!
テレビの「しんれいとくばん」で、おふろとか、水のあるとこにゆうれいがでるっていったら、
「怖いから、今日からずっと一緒に入ってくれますか?」
って、それからずっと、おふろに一緒にはいってるんだ。だけど、いつもおれを先におふろからだして、そのあと一人ではいってるのは、ヘイキみたい。ヘンなの。
おれが歯をみがいて、お茶を飲み終わったくらいに、やっと出てくるんだ。
なにしてるんだろ?(←大爆笑!)
「高耶さん、お待たせしました・・・また、そんな格好で・・・」
だって、あついんだよ。おれはぱんつだけで、キッチンのいすにすわって、お茶をのんでたんだ。オマエをまってたんだってば。
のぼせたのかなぁ。まだ頭がぼーっとしてんだよ。
かたあしを、いすのうえにひきあげて、そのうえにほっぺをつける。
なおえが髪をふきながらそばにくる。気がきくおれは、ちゃんとなおえの分も氷を入れたお茶を、よういしてあげてるんだ。
バスタオルからみえるなおえの顔に、まえがみが落ちてる。
おれ、このなおえ、すき。
まえに「かわいい」っていったら、むっとしてたけどさ。
だって、こんななおえ、知ってるの、おれだけなんだぜ?いいだろぉ?
いつもビシッとしてっから、近所のオバサンたちも、なおえが通るたびにきゃーきゃーウルセー高校生のネーチャンたちも、みたことないなおえだもんな。おれは、なんだかやたらとウレシクなっちゃって、膝の上にほっぺをつけたまま、なおえをみあげて、にっこりわらっちゃった。
なおえは急にあわてて、お茶をごくごく飲んだ。
「・・・風邪をひきますよ?」
からのグラスをテーブルにおくと、すぐにおれにパジャマをきせようとする。
もう、6月だぜ?かほごだよな、なおえは。オマエだって、かお、赤いぜ?「・・・あ!」
いやいやパジャマに手をいれたのが、いけなかったのかなぁ?
おれの分の、まだ飲みかけのグラスの中身、ぜんぶ、パジャマにかけちゃった。
氷入りのお茶はさすがにつめたくて、あつかったのが、いっきにひえた。
「なお・・ご、ごめ・・」
なおえはおこらずに、そっとおれをだっこすると、おふろ場にはこんでくれた。
「すみません、高耶さん、もうお湯は流してしまいましたから、シャワーでいいですか?」
お茶だから、シャワーでじゅうぶんだってば!なんで、なおえって、すぐにあやまるのかなあ。おれが悪かったんだぜ?こどもはあんまり、あまやかしちゃ、ダメなんだぞ。
おれは、しっかりしてるから、イイけど。からだをバスタオルでふいてると、なおえがおれのぱんつとTシャツをもってきた。
「すいません、高耶さん、もう、パジャマがないんで、これでいいですか?」
そうだよなぁ。つゆだから、きのうせんたくしたパジャマ、まだかわいてないんだよなぁ。
でも、Tシャツでねると、首んトコ、きゅうくつで、イヤなんだケド。
「それ、ヤダ・・・そうだ!」
おれは、またまたぱんつだけで、なおえの横をすりぬけて、寝室まで走った。
「やだって、・・・高耶さん?」
おれは、クローゼットのなおえの引き出しをあけて、なおえのパジャマを引っ張り出した。
気にいってるらしくて、なおえが色ちがいでもってる、つるつるのパジャマをきてみる。う・・・でけぇ。ちくしょう、おれだって、そのうち、これがぴったりになるくらい、大きくなる!
でも、とりあえず、今は、そでをぎゅううって、まくって、ついでにズボンもまくって、なおえの所に走ってもどる。だめだ・・・走ってるウチに、ズボン落ちてきた・・・だって、おなかんとこも、ゆるゆるなんだよ、くそー。
「なおえ、なおえ、これ、かしてくれよ!」
なおえのところにとうちゃくした時には、ズボンは半分ひきずってた。
おれのカッコを見たなおえは、こまったように笑って(こういうの、くしょう、っていうんだ)
ソファにすわって、おいで、っていうみたいに、りょうてをひろげてくれた。
ころびそうになりながら、さいごはジャンプしてなおえの膝の上にとびのった。「大きすぎませんか?」
なおえは、膝の上のおれを、よこむきにだっこして、あたまをなでている。
うーん・・・上がながいから、ズボンいいや。
「よいしょ・・・これ、いらない」
おれは、あしをじたばたさせて、ズボンをけり落とした。
「高耶さんが三人くらい入れそうですね」
むうう。おれがさんにん?なんか、ムカツクっ!
なおえが、ソファの下に落ちたズボンをひろうためにかがんだ。ちょうど目の前にきた耳にむかって、おおごえをだしてやろうと思ったけど、やめた。
このパジャマを着てきたわけを、おもいだしたからだ。
「それじゃ、かえって寝づらいでしょう?やっぱり何か別の・・・」
からだをおこしたなおえの口に、手を当ててことばをとめる。
あ、しまった、まくっといたそでが、りょうほうとももどってる。しょうがないから、まあ、いいや。ついでにこのまま・・・「なおえ、なおえ」
おれはなおえの口をおさえてた手をはずして、もうかたほうの手といっしょに、むねのまえにもっていく。大きすぎてたれさがったそでを、ぶらぶらさせて・・・「うらめしや〜〜」
できるだけこわそうな声をだしてやった。
「・・・・・・」
なおえのヤツ、びっくりして、なにもいえないみたいだ。へへっ。
「高耶さん・・・怖いじゃないですか・・・ひどいですね・・・」
なおえは、おれに、ぎゅって抱きついてきた。
ほんっと、こわがり!
でも、なんか、あんまりこわがってないみたいだ。きっといっしょうけんめいガマンしてるんだぜ。 (いや・・・ガマンしてるのは、別のコトだろうよ、きっと)
なおえのこわがりが治るように、おれはときどき、こうして「とっくん」してやるんだ!「怖くなってしまったので、今日はもう、寝ましょう。いいですね?」
あんまりおどかすのも、かわいそうだから、おれは、うんっていってやった。
なおえは、おれを抱っこしたまま立ち上がって、いまやキッチンのデンキを消してく。
ウチのなかのデンキがきえるたびに、おれはだんだん、なおえのくびに、つよくしがみつく。・・・だってっ!なおえが、こわがったら、かわいそうだろ?!
ベッドの上におろされる。
なおえは、さいごに寝室のデンキもけして、おれのほうにあるいてくる。
あとは、ふとんのなかにはいってから、まくらもとのスタンドを消したら、おやすみなさいだ。「あ、なおえ!見ろよ!」
いいことに気がついたおれは、ふとんにはいるのをやめて、ベッドのうえにぺたんとすわったまま、なおえをよんだ。おれは、こみあげてくる笑いをかくすために、そでの中にかくれたままのりょうてで、自分の口をおさえた。なおえ、まだ気がついてないや。近づいてくるなおえをみあげながら、おれは口をそでにうずめたまま、おしえてやった。
「なおえ、これ、このパジャマ、おれたち『おそろい』だぜ?」
「・・・・」
なおえは、びっくりしたみたいに目を大きくしたあと、きゅうにおれにしがみついてきた。
なおえがとびついたせいで、うしろにひっくりかえっちゃったぜ。
「高耶さん・・・今日は、運動をしても、いいですか?」
「うん?いいよ?」
まだおれに抱きついたままの、なおえのかたをポンポン、ってしてやった。
え?『おとなの運動』はどんなのかって?
だから、それは、ないしょなんだってば!なおえと、やくそくしたから、ダメだ!・・・・・・・・・え?ポケモンのゲームボーイソフト、かってくれるの?
・・・・・ホントに?
えっと、『おとなの運動』は、・・・・だめだっ!なおえに、しらないひとに、ものをもらっちゃだめですよって、いわれてるんだ!あ!なおえがよんでるっ!それじゃーなっ!またなっ!
★おわり★
*しろう様コメント*
思ったよりも高耶さんが強情で、逃げ切られてしまいました(涙☆)
ちなみに、良い子の高耶さんは、就寝前の10分歯磨き敢行中♪(笑)*椎名コメント*
しろう様からの素晴しい頂き物です♪うきゃー!今夜は運動有なのね・・・二人でいったいどんな運動してるんでせう?気になっておねーさんは寝られません(爆)
しろう様、素晴しい作品をありがとうございました!ぜひ続きを!お待ちしております!!
この作品の感想は、うちのANOTHER BBSにお願いします♪