Untitled
BY 弘志さま
「…た…さん、…高耶さん」
俺は名前を呼ばれて心地よい眠りの底から覚醒した。
「…っ…んっ」
誰だよ〜心地よい眠りを妨害されてぼんやりと目を開けると見なれない天井…そして次の瞬間、よく見なれた俺の大好きな直江の顔がアップで視界に入って来た。
「…んっー、何?もう朝」
俺は何故起こされたのかを把握しきれずに言葉を投げかけた。
「違いますよ、あなたテレビ見ながら眠ってしまったんですよ」
そーだった、俺はこの週末東京で仕事を終えた直江に逢うために遥々松本から来たんだっけ。それで外で食事して、今日は冷え込むからってマンションに帰って来たんだ。その後、リビングで寛いでテレビを眺めてたとこまでは覚えてる…そっか、寝ちゃったのかー
「高耶さん、起きてますか?」
ぼんやり考えていた俺はむくりと起き上がり直江を仰ぎ見た。
「雪ふってるんですよ、外」
直江の一言に大きな窓ガラスを振り返った。
「うわー、ホントだ〜!!」
嬉しくなって、窓ガラスに張り付いて外を眺める俺に直江も立ち上がる気配。
「東京で雪なんて…今年初ですね〜、もう白銀の世界ですよ」
背後から、抱き締めながら囁く声が心地いい。そして、背中を包む温もりも。
「直江〜ちょっとだけ外行ってみないか?」
ちょっとだけ上目使いのおねだりポーズの俺に直江は苦笑した。
「表は寒いから、暖かい格好をして下さいね」
耳もとで囁いて俺の好きなやさしいキスをくれてそっと、抱き締めてくれた。「うわ〜真っ白〜、直江〜早く、早く〜」
嬉しくて走る俺に『転ばないでくださいよ〜』なんて言いんがら、ゆっくりと歩いてくる。
白銀の世界…なんにも聞こえない。ここは東京なのに、俺と直江二人しか居ないみたい。
「静かですね〜」
白い息を吐きながら隣に佇む。
「俺とあなた二人しか、この世に居ないようだ…」
思っていた事を口にされて、驚いて横にいる直江を仰ぎ見る。
『…ねっ』やさしく微笑されて、俺は直江に抱きついた。
「た、高耶さん?!」
驚く直江に尚も強く抱きついた。
「俺と、お前二人だけだから…」
それだけ言うと直江は強く抱き締めかえしてくれた。
「…そうですね」
全てをこの白い雪が隠してくれるから…だから、あと少しだけ…
この白い世界が続きますように。
弘志様からの素晴らしい頂き物です♪
た、高耶さんがっ・・・かわいいーーー(><)弘志様の小説は甘くて二人がラブラブでたまりません♪
弘志様、どうもありがとうございました!ぜひ、また書いて下さいね♪♪