50053 有末様リク:砂吐く団地妻甘甘新婚




Decadent Eve団地妻劇場


milkey417



「何、泣きそうな顔してんだよ」
高耶は自分にまとわりついて離れず、支度をぐずる直江に、呆れたように云った。


出会って二年。同性同士であることや、幾多の障害を乗り越えて、二人は高耶の高校卒業を待って、この春、直江バースデーに無事ゴールイン(笑)した。
アニバーサリー男、直江のこと。それは盛大な式だったことは、容易に想像できる。あえて書き記すこともないだろう(各自ご自由に妄想下さいませv)
めくるめく新婚旅行も無事に済み(こちらも御自由に煩悩下さいv)、今日が結婚後、直江初出勤の朝だった。



30倍と云う難関を超え、ゲットした都心の公団のとある一室、南向きの3LDKが二人の新居だ。最上階、窓からはレインボーブリッジの夜景が臨める最高の環境である。
当選を知らせる葉書が届いた時、高耶は最上階と云う文字を見て大喜びだったが、直江の心境は複雑だった。
高耶はこんなに可愛らしく、しかもまだ18歳、遊びたい盛りである。
結婚したとはいえ、油断はできない。これからもより深い愛を育む為に、ムードに弱い高耶には、夜景を臨むこの環境は確かに捨てがたいのだが、同時にエレベーターに乗らなければ部屋にたどり着けない、それがネックだった。
自分が一緒の時はもちろんいいのだが、高耶一人でエレベーターなんて、危なくて絶対に乗せられない。もし、自分以外の男とあんな狭い密室で二人きり、なんてことになったら……

自分が戻るまで、部屋から一歩も出ないでもらうわけにはいかないだろうか。
どうしても外に出る時は階段を……いや、階段室も薄暗い。
それにもし踊り場で男と遭遇、なんてことになったら……駄目だ、何がなんでも高耶さんには部屋にいてもらわなければ!

いや、昼間、部屋にいればいたで、団地妻には何かと誘惑が多い。
配達を装った不届き者。
あやしげなセールスマン。
自分以外の誰もが、高耶を狙っている気がする。

もし、誰かがインターホン越しに巧みな口調で純真な高耶を騙し、まんまと鍵を開けさせて、ドアが開いた瞬間押し入りでもしたら、非力で感じやすい(爆)高耶さんは、ひとたまりもない……直江の頭の中で妄想は続く。
「やめろっ!オレには夫がっ」
「旦那がいなくて、さみしいんでしょう?奥さん」
押し倒され、のしかかられ、ボタンの弾け飛ぶ白いシャツ、引き裂かれるスリップ(爆)
「なんていい体だ。うんとよくしてあげますよ」
「……ひいっ!」
無理矢理引きずりおろされるショーツ、散らされる蕾──

「直江ッ!」
あられもない妄想をして自分にぎゅっと張りつき、離れようとしない男に、高耶がついに怒ったように声を張り上げた。
「てめー、いい加減にしろ!遅刻すんだろーが」
「高耶さん……」
直江は情けない声を出した。時計に目をやれば、支度を済ませてさっさと家を出なければ間に合わない時間だ。
「いいですか、もしセールスが来ても絶対にドアを開けてはいけませんよ?買い物なら俺が帰りにしてきますから、できれば一人で外に出ないように……」
「あのなー」
高耶は呆れたように、
「オレは男なんだぜ?」
「それが何だと云うんです。あなたは自分のこと何も知っちゃいない」
直江は語気を強め、高耶を抱く腕に力を込めた。
「あなたほど可愛いひとはこの世にいない。あなたを見れば誰だって欲しくなる。本当なら、俺のいない間、何処にも行けないよう、あなたを鎖で繋いでおきたいぐらいですよ」
「……お前がそういうこと云うとシャレになんねえよ」
高耶のうんざりとした、妙に実感のこもった口調。さては高耶さん、既にやられたことがあるとか?(笑)



渋々、支度を済ませ、玄関に立った時も、まだ直江は未練がましい声を上げていた。
「いいですね、高耶さん。誰か知らないひとが来ても、決して部屋に入れては駄目ですよ」
「ああ、もう、わーったよ!……ほら、」
高耶が直江の胸元に突き付けるように差し出したもの、それは可愛いコットンで包まれた高耶お手製の愛妻弁当だった。
「高耶さん……」
ジーン、と浸る男に、高耶は照れ隠しのようにわざと怒ったように、
「残さず食えよ。残してきたら、二度とつくってやんねーぞ!」
と云って、更に小声で俯いたまま「仕事終わったらとっとと帰って来い」と付け加えた。
決して口に出して云わないが、本当は高耶も淋しくてたまらないのだ。その、あまりに不意うちのような可愛い仕種に、今すぐ押し倒したいのを必死に堪え、直江は云った。
「行ってきます、高耶さん」
「ああ」
だが、それでも直江は一向に出て行こうとしない。高耶が怪訝な瞳を向けると、男の目が何かを訴えている。高耶は観念したように、
「……わかったよ、ほら」
と云って男の首に腕を回し、いってらっしゃいのキスをした。
柔らかな唇の感触を味わって、男はようやく笑顔を見せた。
再び「行ってきます。愛していますよ、高耶さん」と囁いて、もう一度、今度は自分から高耶に口づけると、ようやく直江は家を出ていった。




夫(笑)を送りだし、高耶の専業主婦としての一日目がはじまった。
朝食の後片付け、掃除、洗濯。主婦は大変と云うけれど、本当にそう思う。
高耶の場合は、直江を送りだすまでが何よりの一苦労、と云う感じだが(笑)

全ての部屋の窓を開け、掃除機をかける。寝室に入り、昨夜の情事でどろどろになったシーツを剥がした時、高耶は一人顔を赤らめた。

直江との行為は、自分から理性を奪う。抱かれると、身も心も直江でいっぱいになって、直江のこと以外考えられなくなる。直江以外としたことがないから、比べられないけれど、みんなあんなに激しいのだろうか……?
いつも直江を受け入れる箇所が、ずきん、と疼き、高耶は真っ赤になって、シーツを抱えるとパウダールームに向い、丸めて洗濯機に放り込んだ。



家事を済ませ、コーヒーを煎れ、カップを持ったままベランダに出た。
外はいい天気で、爽やかな風が肌に心地いい。
せっかくこれほどいい天気なのだから、表に出てみようかとも思ったが、すぐにやめた。
一人で外に出たって楽しくないし、それに直江が嫌がる。
(……本当なら、俺のいない間、何処にも行けないよう、あなたを鎖で繋いでおきたいぐらいですよ)
出かけの男の言葉を思いだして、高耶は照れたような笑を浮かべた。
(ばーか。やれるもんなら、やってみな)
……お前が望むなら、構わないのに。



空になったカップを抱え、室内に戻ると、時計は昼を回っていて、妙に静かだった。
思えば、この家に昼間、こうして一人でいるのは今日が初めてだったのだと、改めて思う。
二人でいる時は感じないのに……3LDKのマイホームが、妙に広く感じる。
直江が帰って来るまで……どうやって過ごそう?

時間って不思議だ。早く過ぎてほしい時はこんなに長くて、ずっとそのままでいたい時は、あっと云う間に過ぎてしまう。ソファに沈み、直江の変わりとばかり、クッションを抱えてぼんやりとしていても、考えるのは直江のことばかり。
高校を卒業する際、同級生がそれぞれ、大学や専門学校に進む中、一人専業主婦への道を選んだことに悔いはなかった。それは直江の強い要望もあったのだが、高耶が自分の意志で選んだ道だった。そして今、直江といられて自分は確かに幸せだ。

その時、電子音が鳴り響いて、携帯が鳴った。
直江からのEメールだった。しかも、仕事用のアドレスから送ってきている。
『どうしていますか?さみしいからって浮気したらお仕置きですよ。お弁当とてもおいしかった。愛していますよ、高耶さん』
「………」
高耶は咄嗟に怒ればいいのか、笑えばいいのかわからず、結局、苦笑しつつ無意識にその携帯を抱きしめた。
(いいからオレは大丈夫だから、ちゃんと仕事しろ。そんで、仕事が終わったら1分でも早く帰って来い)


今夜の夕食は何にしようか?
高耶は笑を浮かべて、ソファから立ち上がった。




夜6時過ぎ──まだ日も暮れないうちに、直江は息を切らせて帰ってきた。
直江の会社の定時は5時30分だから、本当に脇目もふらずに帰って来たことになる。
ドアを開けた途端、高耶は直江の腕の中に抱き込まれていた。
「おかえ……わっ、バカッ、苦し……」
「高耶さん……!」
一向に緩む気配のない腕に、高耶はやがて諦めたように、男の腕に身を任せる。
「ただいま、高耶さん……」
最愛のひとを全身で確かめるように抱きしめ、口づけの雨を降らせてから、ようやく男は顔を上げた。


目と目が合った瞬間、もう駄目だった。
たった数時間離れていただけなのに、体でお互いを確かめたくて。
「直江っ……」
「高耶……ッ」
高耶をドアに押し付けるようにして、首筋に激しく吸い付き、行為を急ぐ男に、高耶は必死で云った。
「なおっ、おねが……此処じゃ、いや、……」
真っ赤になって俯く高耶に、
「御意」
と男は微笑って、その体を軽々と横抱きに抱え上げ、寝室へと運んだ。
高耶をベッドに横たえると、服を脱ぐのももどかしく、二人は絡み合うように互いの唇を貪った。
「高耶さん……我慢できない」
切羽詰まったような声で名前を呼ばれ、既に火のついてしまった体が、ずきんと疼く。
「なおえ……っ、」
直江は高耶のジーンズを引きずり下ろすと、高耶を俯せにさせて獣のポーズをとらせた。
「やあっ……!」
いきなり、双丘を掴んで押し広げられ、前触れなく秘所に這わせられる舌。男は感じてひくつく蕾を吸い上げ、舌を差し込んでは唾液を送り込んだ。
自分の指も口に銜えて唾液で濡らし、小刻みに揺らしながら、根元まで飲み込ませる。
「あっ……、なおっ……」
数回、指を出し入れしただけで、直江はすぐに指を引き抜き、昂った己のきっ先を蕾に押し当て、逃れられないように双丘を掴んで、一気に押し入った。
「ああああっ、」
殆ど、前戯のないまま貫かれ、高耶の背が激しく仰け反る。直江は高耶が悲鳴をあげるのも構わずに、尚も細い腰を揺すってすべてを飲み込ませた。
奥まで繋がって、ようやく男は息を吐き出した。
「なおっ……」
「高耶さん……」
直江は背後から高耶をきつく抱きしめ、回した片手で高耶のモノを握り込み、上下に扱くのと同じリズムで高耶の抽送を開始した。もう片手はシャツの合わせから差し込んで、すっかり勃ちあがった胸の突起を弄ぶ。
「やあっ……、なおっ……」
胸を弄ばれ、前と後ろを同時に責められ、貫かれた苦痛が、じわじわと快楽に変わりはじめる。高耶の声が苦痛から甘い喘ぎに変わると、男は耳朶を甘噛みしながら囁いた。
「高耶さん……気持いい?」
「い……気持、い……なおえぇ……っ、」
胸を弄っていた手で、顎を掴んでこちらを向かせ、口づけると高耶が潤んだ瞳で男を見た。
「なお……も……きもち……い……?」
羞恥と快楽のあまり、両目に涙をたたえた高耶の精一杯の問いに、男は熱く囁く。
「イイですよ……あなたの中は、熱くて最高に気持いい……ほら、こんなに俺のをしめつけてる……」
わずかに腰を引き、グッと押し入れる。途端、高耶の背が撓った。
「ンンッ……、」
「……ね?俺のがあなたの奥まで入ってる。感じるでしょう?どうですか……?ちゃんとあなたのイイところに届いていますか?」
「ああっ……なおっ……、」
淫らな囁きとあまりの快楽に、一瞬、意識が遠くなる。
だが、すぐに再開した激しい抽送に高耶はヒイッと悲鳴をあげて大きく背を仰け反らせた。
「ああっ、なおっ……」
パン、パンと音を立てて打ちつけられる腰。
奥まで抉るように犯されながら、前も激しく上下に扱かれて、高耶が「なおっ、でるっ、」と叫んだ瞬間、しろいものを男の掌の中に迸らせた。
男も高耶よりわずかに遅れて、愛しい体に最奥に熱いモノを放った。

男の腕の中に抱かれて、まどろんでいるうちに、高耶はうとうとしかけた。
直江が子供の背をあやすように、摩ってやっているうちに、高耶はついに安らかな寝息を立てはじめた。その寝顔のあまりの可愛らしさに、直江は口づけずにはいられなかった。





少し仮眠を取ったら、夕食。
ワインを開けて、二人だけで乾杯しよう。

食後はベランダで夜景を見ながら、立ったままでH。
その後はお風呂場でH、ベッドで夜のおつとめと、長い夜は更けて行く。
高耶の団地妻の日々は、始ったばかりである。


To Be Continued...?




有末様にリク頂いた内容が「砂吐く甘甘新婚団地妻」だったのですが、すみません…これじゃ砂吐けないでしゅね〜;
有末様、お待たせした上にこんな話で本当にごめんなさい(><)
甘甘、精進いたします〜;にしても、この夫婦、Hばっか…(笑;新婚だからいっか(笑;;

ちなみに「Decadent Eve団地妻劇場」はもしかしたらこっそり続くかもです(笑;←続けなくていいって;

有末様、読んで下さった皆様、ありがとうございましたm(_ _)m


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